2007 Fiscal Year Annual Research Report
ハギア・ソフィア大聖堂の修復史とその評価、および今後の修復・保存に関する研究
Project/Area Number |
17206062
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
日高 健一郎 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (30144215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花里 利一 三重大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60134285)
高瀬 裕 立命館大学, COE推進機構, 教授 (50388104)
水嶋 英治 常磐大学, コミュニティ振興学部コミュニティ文化学科, 教授 (70372886)
吉野 邦彦 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (60182804)
アンドラス モルゴス 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50431680)
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Keywords | ハギア・ソフィア大聖堂 / モザイク / 現状記録 / 写真測量 / 組積造 |
Research Abstract |
前年度調査の結果整理を続けるとともに、テッサロニキのハギオス・ゲオルギウス円堂の目視調査を実施し、年度末の2月24日から3月7日にかけてハギア・ソフィア大聖堂での現地調査を実施した。前者は、ハギア・ソフィア大聖堂の関連建築としてドーム架構の先例として重要であり、テッサロニキ大学のパティアス教授の研究グループと堂内のモザイクの目視調査を行ない、その修復に関して今後の共同研究態勢を打ち合わせた。ハギア・ソフィア大聖堂の現地調査は、(1)過去2年間の諸調査の補足調査、(2)ギャラリー階モザイクの現状記録と詳細原寸図作成のための写真測量、(3)博物館としての機能改善のための観光客動線調査、の3項目で行なった。(1)では、1-a)側廊ヴォールトのモザイク記録、1-b)アプシスの聖母マリア・モザイクの実測、1-c)第2コーニス上面の痕跡調査を進め、時間的制約から1-c)に十分な時間を取ることができなかったが、1-a)と1-b)については、データの整理と図化を進めている。いずれも不規則な球曲面に描かれたモザイク画であり、今回調査で初めて三次元実測図が完成する意義は大きい。(2)では、デイシス・モザイク、ゾイー・モザイク、コムネノス・モザイクの実測を写真測量により完了した。現在、図化を進めている。特にデイシス・モザイクは面積も広いため、実測に手間を要した。同時に分光測色計によるモザイク色彩の測定を行ない、使用色の特徴に関する分析の基礎データを得た。(3)は、前回調査の継続であり、既発表の成果と合わせて考察を進めている。前回調査の継続として、国内で実施してきた構造特性の解析結果は一部国内外の学会、専門誌で発表した。
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Research Products
(2 results)