2006 Fiscal Year Annual Research Report
軟X線領域複合電子分光が拓く高空間・エネルギー分解能物性診断
Project/Area Number |
17206063
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
武藤 俊介 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授 (20209985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 朋子 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助教授 (90283415)
巽 一厳 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助手 (00372532)
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Keywords | 電子エネルギー損失分光 / 透過型電子顕微鏡 / 電子チャネリング / 水素 / 信号処理 / 第一原理電子状態計算 / リチウムイオン二次電池 / X線分光 |
Research Abstract |
(1)鉄中の水素の間接ナノイメージング 鉄カーバイド微粒子中に吸蔵された水素による鉄元素の電子状態変化を電子エネルギー損失分光法(EELS)によって捉え、そのピーク強度比を利用してエネルギーフィルター像を撮影し、これらを画像演算を通して間接的に水素の分布のナノメートルスケールでのイメージングを行った。 (2)微量元素の電子状態測定 EELS測定における長時間測定中のエネルギードリフト補正プログラム、及び微小シグナルを抽出するソフトウェアを開発した。これによってリチウム二次電池正極材料に添加されているおよそ1%以下の濃度の元素を検出し、第一原理計算による理論スペクトルとの比較によってその占有サイトと結合状態を明らかにした。 (3)電子定在波法によるサイト選択的EELS測定法の確立 結晶試料へ入射する単色高工ネルギー電子のブラッグ反射条件を制御することで、特定の対称性をもつたプロッホ波を励起させ、その周期に対応する原子面上に存在する特定の元素の電子状態を測定する手法を確立した。特に多変量解析によるスペクトル分解プログラムを開発し、真の意味でサイト選択的な測定が可能となった。 (4)リチウムイオン二次電池材料の劣化挙動解析 LiNi_<0.8>Co_<0.15>Al_<0.05>粉末を塗布した電極を正極とした電池において繰り返しサイクルによって生じる内部抵抗増加が主としてNiOに近い岩塩構造相の増加によることが判明した。これらは初期粉末に既に含まれており、使用によって更に酸素が表面から抜けていくことが判った。 (5)窒素イオン注入によるチタニア光触媒の可視光応答化に関する基礎研究 TEM-EELSに付随したエネルギーフィルター法を併用して、可視光応答に有効な窒素の電子状態、有効濃度を明らかにした。
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Research Products
(10 results)