2007 Fiscal Year Annual Research Report
太陽電池用シリコン基板の自己成長形態保持機能を利用した合金融液からの直接製造法
Project/Area Number |
17206072
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 俊夫 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (70115111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 一樹 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00210170)
池田 実 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50167243)
澁田 靖 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (90401124)
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Keywords | シリコン / 太陽電池 / 結晶成長 |
Research Abstract |
太陽電池用シリコン低温製造プロセスであるシリコン合金融液からの低温凝固精製法における結晶育成条件を検討するために,Si-45wt%Ni合金をモデル系としたシリコン結晶育成の最適条件を検討した。低過冷度融液でのシリコン結晶の優先成長方位が<211>であることから,<211>方向に切り出した種結晶を用いた結晶引上げを試みたが,過冷融液では自由デンドライトが合金融液表面を成長することにより結晶引上げは困難であった。このため,わずかに過熱した合金融液からの結晶育成を試みた。その結果,過熱度1〜5℃,引上げ速度0.15mm/min以下の条件で種結晶とエピタキシャル成長する結晶育成が可能となることを示した。育成結晶の形態は棒状結晶,針状結晶および表面デンドライトの成長した円錐状結晶に外観から分類され,捧状結晶,針状結晶には内部に共晶が成長するもの,成長途中から共晶成長となるものがあることが見出された。これら結晶育成時の諸条件を検討するため,種結晶と育成結晶の温度分布を推定し,それがほぼ一定であり,熱的定常状態が保たれることを確認した。また,育成結晶と合金融液のぬれ挙動が育成結晶の形状や共晶晶出と密接に関連することを確認した。これらの結果を詳細に検討し,引上げ速度を0.03mm/min以下とすることにより長さ約10mmのシリコン結晶育成が可能となることを示した。また,この育成シリコン結晶は多数の双晶を多シリコン結晶であり,双晶により形成される凹角を基点とした成長機構が本結晶育成においても支配的であることを示した。以上の結果を総合し,シリコン合金融液からの大型結晶の育成が十分可能であること,また,表面がシリコン結晶で覆われた一定径の棒状結晶による新たな太陽電池システムも可能であることを示した。
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Research Products
(3 results)