2007 Fiscal Year Annual Research Report
荒天下を航走する船舶の動揺ならびに船体弾性応答計算法の研究開発
Project/Area Number |
17206088
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Research Institution | National Maritime Research Institute |
Principal Investigator |
谷澤 克治 National Maritime Research Institute, 企画部研究戦略計画室, 室長 (70373420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝沢 研二 独立行政法人海上技術安全研究所, 実海域性能評価PT, 研究員 (60415809)
柴田 和也 独立行政法人海上技術安全研究所, 実海域性能評価PT, 研究員 (30462873)
南 佳成 独立行政法人海上技術安全研究所, 実海域性能評価PT, 主任研究員 (60399516)
柏木 正 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (00161026)
矢部 孝 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60016665)
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Keywords | IDO法 / MPS法 / 波浪衝撃 / スラミング / 海水打込み / 船体弾性応答 / 船体運動 / スロッシング |
Research Abstract |
平成19年度の実績概要格子を用いる計算法の研究では、17年度は計算手法として非保存形のCIP法をベースにしていたが、18年度には保存形ベースのIDO法を開発し、こちらに移行した。これにより、計算精度(特に流体力の力積)を向上させることができた。また、界面捕獲法にはTHINC法を導入し、甲板上部へ流れる流体の体積保存を行うことができるようになった。19年度は保存系IDO法と直交格子を用いて1.境界の無い問題、四角い境界の問題を使った数値的ベンチーマークテスト2.四角以外の境界の計算法の確立(物体境界での保存則の補償)3.自由界面問題への適応4.3次元化、スペクトル法との比較(DNS、LES化)と段階的に研究を進め、3次元での自由表面問題への適応を可能にした。特にDNSの計算では、同じ精度の非保存形IDO法とを比べ、保存性、ロバスト性、計算精度の全てにおいて、極めて良好な結果を得た。(スペクトル法と比較できるオーダーの精度を達成)また、本研究では並列化を重視し、マルチカラーSORの開発や、マルチグリッド法を本手法に合わせて開発した。並列化性能の検証を目的として、東工大のスパコン上で512CPUを使った計算を行った結果、キャッシュ効果によるスーパーリニアに計算が効率化できることが確認できた。 一方、格子を用いない計算法(MPS法)の研究では、17年度は船体大振幅動揺によって発生する船内液体タンクの流体衝撃減少、スロッシングの計算にMPS法を適応したが、船体表面に働く圧力を求める際、計算結果に現れる圧力振動が大きな問題となっていた。18年度は格子を用いる計算法を部分的に取り入れ、圧力計算点が計算の進行と共に移動しない方法を用いることで、圧力振動を効果的に抑える方法を開発した。19年度はタンク内の流れに限定してきた粒子法を、船外の波浪場の計算にも適応し、荒天波浪中を航走する船舶のシミュレーションプログラムを開発した。本プログラムにより、大波の中を航走する船舶の運動、船体に働くスラミング衝撃荷重、甲板上への波の打ち込み等の計算を実施した結果、安定して計算が可能であることを確認すると共に、ストリップ法等の線形理論に基づく計算法との比較を行い、計算結果の妥当性を確認することができた。
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Research Products
(12 results)