2007 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素の処理と天然ガス鉱床の再生・創出を目的とした持続型炭素循環システム
Project/Area Number |
17206090
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 光三 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (60322038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 昌敬 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (50190369)
菅井 裕一 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (70333862)
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Keywords | 地球温暖化問題 / 二酸化炭素 / バイオ技術 / 応用微生物工学 / 培養実験 |
Research Abstract |
複数種微生物の混在環境下でのメタン生成菌,水素生成菌の増殖挙動実験を行い,基質に関する微生物の競合もしくは共生関係の解明を目的とした。微生物としては二酸化炭素貯留後の地下環境で増殖可能と考えられる菌(水素生成菌として帝国石油八橋油田から単離したHYH-1とHYH-2,二酸化炭素と水素を資化するメタン生成菌としてMethanothermococcus thermolithotrophicus)を選定した。培養系の気相部を二酸化炭素にしたものと窒素にしたもので混合培養を行い,主な代謝物を定量して両者を比較することで二酸化炭素の影響を評価した。その結果,HYH-1とM.thermolithotrophicusの混合培養において,気相部が二酸化炭素の場合,窒素のときと比較してメタン生成量が1.6倍生成した。基質のうち,水素生成に最適な代謝である酢酸発酵に使われる割合が多くなるという知見が得られた。 更に水素生成菌の主な代謝物である酢酸を資化してメタンを生成する菌を追加して培養し,メタンの収率の向上をはかった。 酢酸資化性の菌であるMethanosarcina thermophilaを加えたことで,二種混合培養時よりもメタン生成量が1.5倍となりメタン収率が向上した。またそれぞれの培養結果を元に炭素の収支を計算し,代謝物の定量結果と合わせてモデル化のための知見とした。 炭素収支を計算したところ,二種混合培養は最大で全炭素量の6%,三種混合培養は9%がメタンに変換されたという結果が得られた。 これらに加えて,微生物の存在がメタン生成速度にどのような影響を及ぼすかを種々の環境下(二酸化炭素供給量,温度,圧力,塩分濃度,pHなど)において実験し,定量的評価を行った。
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Research Products
(3 results)