2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17206092
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田辺 哲朗 Kyushu University, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (00029331)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大宅 薫 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (10108855)
坂和 洋一 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 准教授 (70242881)
橋爪 健一 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 准教授 (70243912)
宮 直之 日本原子力研究力開発機構那珂研究所, 核融合研究開発部門, 研究主幹 (60343901)
正木 圭 日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究職 (10354648)
|
Keywords | プラズマ・壁相互作用 / 炭素材料 / 損耗 / 堆積 / 水素蓄積 / トリチウム / トリチウム除去 / レーザーアブレーション |
Research Abstract |
プラズマ対向炭素タイルでの損耗/堆積とトリチウム蓄積を明らかにするため、様々な実機(JT-60U)実験および実験室実験ならびにびシミュレーションを行った。本年度得られた結果は以下のようにまとめられる。 (1)ダイバータ領域での炭素再堆積層には作動ガスであるD(H)が多量に蓄積されており、その水素濃度は(H+D)/Cの原子比で0.03程度であった。これにより装置全体の水素の蓄積率(供給された水素のうち排気さないで装置内に蓄積していくものの割合)は装置の運転温度によって大きくことなるが、おおよそ見積もることが出来るようになった。 (2)JT-60トカマク実験装置内の上記のような水素の蓄積は、動的な蓄積と静的な蓄積の2つの成分に分けることができる。ここで動的な蓄積(dynamic retention)は、主としてプラズマに面した壁タイルの表面で起こるもので、壁温度の高いJT-60Uの様な装置では、プラズマに面した壁表面への水素蓄積量が少ないため、放電中に飽和に達し、プラズマから見ていわゆる壁飽和の状態が達成される。一方静的な蓄積は(static retention)は主として、プラズマに直接は曝されない壁(タイルギャップやダイバータの排気口)表面に再堆積する炭素膜に取り込まれる水素によるものであり、飽和することになく、放電時間とともにほぼ直線的に増加すると思われる。プラズマ対向壁が水冷されているTORE-SUPRAのような装置では再堆積層中水素濃度が高く、放電中に壁飽和は見られない。 (3)炭素再堆積層およびその中に蓄積された水素の除去法として、レーザーアブレーションによる炭素膜全体の除去を 試みた。レーザーの入熱密度がアブレーションの閾値より、低い場合は水素のみが熱放出される、一方閾値を超えるとアブレーションによる膜が除去されるが、弱いアブレーションでは、炭素のクラスターが放出されるのに対し、強いアブレーションになると、アブレーション粒子のイオン化により、クラスターの放出が減少し粒子の大半がイオンとして放出されるようになることを明らかにした。
|
Research Products
(4 results)