2005 Fiscal Year Annual Research Report
トーラスSOLプラズマにおける非拡散的熱・粒子輸送と非平衡放射ダイナミクスの解明
Project/Area Number |
17206093
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高村 秀一 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40023254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 哲靖 名古屋大学, エコトビア科学研究所, 助教授 (60203890)
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Keywords | 核融合 / プラズマ / 熱・粒子制御 / トーラス / 揺動 / トーラス / 放射 / 非拡散的輸送 |
Research Abstract |
コンパクト(大半径R=34cm,水平幅2a=18cm,垂直幅2b=28cm)ながら長い磁力線を有するトロイダル・ダイバータ模擬試験装置において、フェライト変圧器を用いて200kHz前後の駆動周波数のRFジュール放電により水素プラズマを生成することが出来た。プラズマ密度neを投入電力Pinで規格化した、投入電力あたりのプラズマ密度ne/Pinで見ると、水素ガス圧力としては0.03-0.05Pa近辺が最適であることが明らかにされた。5kW程度のRF入力によりne=2.5x10^17m^-3,Te=5-10eVの大容量水素プラズマが得られた。さらに投入RF電力密度を格段に増加するため、固体リミターにより水平方向幅を3cmに狭めた場合には、ne0=0.8-1.0x10^18m^-3,Te=5-10eVの高密度プラズマの生成に成功した。 ne/Pinのガス圧力依存性などは簡単な1次元の数値解析モデルにより結果をほぼ再現することができ、その成果は第10回核融合装置における周辺プラズマ理論に関する国際ワークショップ(PET 2005)において発表され、学術雑誌Contributions to Plasma Physicsに掲載が認められ、現在印刷中である。 今年度はプラズマ生成用RFインバータ電源を30kW(220V-150A)に増力し、プラズマの高熱流化を計ったところ、重水素ガス(0.1-0.2Pa)にて、ピーク密度ne0=1.0x10^18m^-3,Te=7-15eVの大容量高熱流重水素プラズマの生成に成功した。まだ、1次側から見た負荷抵抗が2.0 Ohmと最適値(1.5 Ohm)よりやや高いことやガス圧力の最適化を行っていないので、今後フェライト変圧器のコンパクト化による磁気抵抗の減少と漏れ磁束の低減、並びに1次と2次の巻き数比の調整により投入電力をより有効にプラズマの高熱流化に使われるよう最適化する予定である。 その他、磁場電源の整備、非拡散的輸送観測のための高速撮像カメラと分光系の充実を図った。非拡散輸送に関しては露国クルチャトフ研究所Budaev博士と共に種々の核融合装置周辺プラズマにおいて観測される超拡散(superdiffusion)とマルチフラクタル性について論じ、平成18年4月になるが、学術誌Nucl.Fusionに掲載される予定。また、動的エルゴディックダイバータ(DED)による揺動制御についても同様である。一方、非平衡放射に関しては非接触プラズマにおける放射スペクトルの強度分布を説明するためには輸送の効果を考慮しなければならないことを仏国マルセイユ大学Rosmej教授と共に明らかにした。
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Research Products
(2 results)