2007 Fiscal Year Annual Research Report
高温プラズマの閉じ込め改善と定常性に協働する燃料注入制御法の開発
Project/Area Number |
17206095
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
山田 弘司 National Institute for Fusion Science, 大型ヘリカル研究部, 教授 (20200735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森崎 友宏 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 准教授 (60280591)
田中 謙治 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 准教授 (50260047)
増崎 貴 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 准教授 (80280593)
坂本 隆一 核融合科学研究所, 准教授 (10290917)
宮崎 順一 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 准教授 (50300728)
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Keywords | プラズマ・核融合 / 物性実験 / 燃料供給効率 / ペレット入射 / 粒子排気 |
Research Abstract |
大型ヘリカル実験装置をプラットフォームとした燃料注入制御による閉じ込め改善の実験研究を進展させた。固体水素ペレットによる中心燃料注入とエルゴディック磁場構造を持つ層をプラズマ周辺に調整することにより、内部拡散障壁が形成され、その内部で超高密度が達成される現象についての理解が進んだ。磁場強度2.5Tにおいて、中心密度は1100兆個/ccに達し、プラズマの圧力を1.5気圧まで上昇させることに成功した。エルゴディック層が厚い程、中性粒子密度および周辺プラズマ密度が低減され、この周辺部での境界条件と中心での密度上昇が強く相関している。また、輸送解析によって内部拡散障壁内側では非常に大きな密度勾配まで粒子束と勾配との線形関係が保たれていることが分かった。さらに、ガス注入によって周辺部での中性粒子密度を上昇させると拡散障壁が形成される前に放射崩壊が発生するか、あるいはMHD不安定性の発現により内部拡散障壁の形成が阻害される。内部拡散障壁の密度勾配の上限は1ミリ秒以下で起こる密度の吐き出し現象によって制限されている。時間スケールからMHD不安定性によるものと考えることが妥当であるが、前駆現象となる揺動の成長は軟X線や磁場揺動計測で同定されておらず、また交換不安定性は理論的に線形安定であるため、短波長のバルーニング不安定性が残されている。この閉じ込め改善状態の核融合炉への適用性の鍵となるのは、高温化と定常化にある。前者においては、衝突頻度を下げることによって模擬することができる。プラズマ中心圧力が最大になる時点での衝突頻度は核融合炉プラズマ条件の2倍から10倍程度と高いが、ペレット入射後の密度減少時に核融合炉プラズマと同程度の衝突頻度に下がっても、内部拡散障壁の形状が保たれることが分かった。定常化についてはペレット入射装置の改造を進め、平成20年度から実験を実施する目処をつけた。
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Research Products
(21 results)