2007 Fiscal Year Annual Research Report
粒子・格子ハイブリッド法による原子炉気液二相流直接シュミレーション法の開発
Project/Area Number |
17206097
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡 芳明 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (40011225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越塚 誠一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80186668)
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Keywords | 沸騰水型軽水炉 / 気液二相流 / 環状噴霧流 / 液膜ドライアウト現象 / 液滴発生条件 / 液滴発生率 / 機構論的シミュレーション |
Research Abstract |
沸騰水型軽水炉の熱水力設計および安全上重要な燃料棒表面の液膜ドライアウト現象の評価には液膜流量の解析が必要であり,実験相関式に依存しない汎用性のあるシミュレーション手法が強く求められている。液膜からの液滴の分離(飛散),再付着,液膜の蒸発を定量的に解析できれば,液膜流量の変化が分かりドライアウトが解析できると考えられる。しかし液滴分離のプロセスは完全に明らかにはなっていない。本研究では,粒子-格子ハイブリッド法を用いて,液相を粒子法,気相を格子法で環状噴霧流を解析し,液膜からの液滴発生現象を初めてシミュレーションできた。本手法を用いて液滴発生条件及び液滴発生率を評価した。 具体的には,円管内の環状流(上昇流,下降流,または水平流)を軸対象2次元体系でモデル化し,液相の密度,粘性係数,表面張力係数,気相の圧力勾配(速度に対応)を変化させてシミュレーションを繰り返した。ある条件では気液の速度差に起因する界面の不安定性により液滴が発生する現象が確認された。この液滴発生限界を既存のいくつかの実験相関式と比較し,良い一致を得た。また,格子数および粒子数を変えてその影響を評価した。次に,液滴発生率をいくつかの実験相関式と比較したが,定量的に良い一致は得られなかった。本研究のシミュレーションは計算量が非常に大きいため,液滴発生率が時間的に変化しない準平衡状態に至るまで計算できなかったことが原因と考えられる。
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Research Products
(2 results)