2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17207001
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石浦 正寛 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 教授 (20132730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井原 邦夫 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 助手 (90223297)
伊藤 繁 名古屋大学, 大学院理学研究科, 教授 (40108634)
難波 啓一 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 教授 (30346142)
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Keywords | 生物時計 / 概日リズム / 時計遺伝子 / 時計タンパク質 / Kaiタンパク質 / 藍色細菌 / シロイヌナズナ / クラミドモナス |
Research Abstract |
藍色細菌、クラミドモナス、シロイニナズナの生物時計分子装置の原子レベルでの解明に向けて、本年度は以下の研究を行った。 藍色細菌:時計タンパク質Kaicは重複構造をとっており、それぞれ1セットのATPaseモチーフを持つN末端ドメインとC末端ドメインからなる。この2つのドメインの機能を明らかにするために、N末端ドメインタンパク質とC末端ドメインタンパク質をそれぞれ大腸菌で発現さて精製し、生化学的に解析した。Kaicの6量体形成活性は主にN末端ドメインに存在し、時計タンパク質KaiAとの結合活性とサブユニット間リン酸化活性はC末端ドメインにのみ存在した。C末端ドメインには弱い多量体形成活性も存在した。 時計関連タンパク質Pexは生物時計への光入力に関与し、時計遺伝子kaiA語の発現を抑制するリプレッサーと考えられる。常温性糸状性藍色細菌Anabaena sp. strain PCC7120 (Anabaena)と常温性単細胞性藍色細菌Synechococcous sp. strain PCC7942 (Synechococcus)のPexをそれぞれ大腸菌で大量生産し、高度に精製して結晶化し、SPring-8でX線回折データを取得し、X線結晶構造解析を行い、結晶構造を解明した。原子構造からDNAとの結合に必要なアミノ酸残基を推定し、in vivoリズム解析とゲルシフトアッセイで実験的に確認した(名古屋大学理学研究科物質理学専攻神山勉教授との共同研究で未発表)。 クラミドモナス:タギング法によって多種多様な生物発光リズム変異体を分離した。これらの変異体の原因遺伝子をPCR法によって同定し、遺伝子相補実験によって確認した。これまでに数個の時計遺伝子・時計関連遺伝子候補を見つけ、そのうちの1つに関して同定に成功した。 シロイヌナズナ:既存の時計遺伝子、時計関連遺伝子上に変異を持たない9つのリズム変異体を見つけた。現在、これらの変異体に関して、マップベースクローニング法によって原因遺伝子のクローニングを進めている。
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Research Products
(3 results)