2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17207019
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
藤原 勝夫 金沢大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60190089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 一志 大阪市立大学, 都市健康スポーツ研究センター, 教授 (50167160)
室 増男 東邦大学, 医学部, 教授 (80112887)
国田 賢治 大阪市立大学, 都市健康スポーツ研究センター, 助教授 (20316003)
福岡 義之 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (20265028)
外山 寛 金沢大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (10172206)
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Keywords | 周期性運動 / 脳賦活 / 注意 / 随意運動 / 眼球運動反応時間 / 大脳皮質局所血流量 / 脳周波数分析 / 前頭前野 |
Research Abstract |
高水準の運動機能と認知機能を発揮するためには、必要に応じて脳の賦活状態をある水準に保つように調整することが重要と考えられる。今年度は、周期性運動の脳賦活作用について検討した。周期性運動については、呼吸運動、歩行運動、咀嚼運動、床振動平衡運動、前・後傾姿勢反応運動および頚部前屈運動をとりあげた。被験者は大学生8-12名を対象とした。所定の周期性運動を課し、その前後で眼球運動(プロサッケード)反応時間、脳局所血流量、脳波周波数成分(β/α)を測定し、脳賦活状態を評価した。呼吸運動として、安静時呼吸と腹式呼吸を行った。それぞれ3分と2分を1セットとして、3セット課した。腹式呼吸では、腹筋を意識的に収縮させて呼出させた。歩行運動では、トレッドミル上にて、周期2Hz、速度80m/分にて、自然歩行と足指把握歩行をそれぞれ3分間課した。咀嚼運動では、ガムの咀嚼を、任意テンポと高速テンポでそれぞれ2分間課した。床振動平衡運動では、振動台上で、開眼と閉眼にて立位姿勢をそれぞれ2分間保持した。振動台は、正弦波状に振幅2.5cm、周波数0.5Hzで、前後方向に振動した。頚部前屈運動および前後傾運動では、それぞれ5秒ないし2秒周期で2分間繰り返した。周期性運動時の随意性の指標として、前頭前野(F3,F4)の脳血流量を測定した。運動負荷強度として、酸素摂取量と心拍数を測定した。周期性運動の脳賦活作用については、眼球運動反応時間を指標とした場合に、周期性運動そのものよりも、随意性の強い運動および感覚情報に強く注意を向けた運動において顕著であるという特性が示された。眼球運動反応時間からして、脳賦活効果の持続時間は1分程度であった。プロサッケードの特性として、脳の活動水準が高くなると、前頭前野および前補足運動野の脳血流量が減少し、視覚野(Oz)のβ/α値が増加するという現象が認められた。
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Research Products
(6 results)