2005 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム情報と染色体部分置換系統を利用したイネのシンク・ソース機能の解明
Project/Area Number |
17208003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大杉 立 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40343107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 徹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50143409)
佐々木 治人 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助手 (60225886)
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Keywords | ソース機能 / シンク機能 / マクロアレイ |
Research Abstract |
(1)本年度は染色体部分置換系統(IL)の親品種の生態型の違い(ジャポニカ種とインディカ種)に着目して成熟葉のソース機能、穂のシンク機能および葉鞘のシンク・ソース変換機能に関する解析を行った。 1)ソース機能:多収性のインディカ種タカナリの炭酸固定活性は出穂後10日目まではジャポニカ種日本晴より高かったが、それ以降はほぼ同じであった。マクロアレイによる遺伝子(炭素代謝を中心とする537個)の発現解析では、出穂前10日から成熟期までの変化に関して6つのパターンに分類することができた。その中で、CA遺伝子の一つが、タカナリで出穂前後に高い発現を示した。 2)シンク機能:インディカ種IR72は日本晴に比べて、強勢穎果と弱勢穎果の違いが明確で、弱勢穎果でのデンプン含量の蓄積開始までに10日程度のラグがあった。マクロアレイ解析の結果、登熟期の遺伝子発現が8パターンに分かれた。それらは胚乳細胞の分裂・増殖からデンプン蓄積に変化する時期が発現パターンの変わる時期と一致していた。 3)シンク・ソース変換機能:第3葉鞘のデンプンの出穂期から成熟期までの変化をみると、タカナリは日本晴よりも減少のスピードが速く、最終的には全て穂に移行した。マクロアレイ解析の結果、両品種とも出穂後はまだデンプン合成方向の遺伝子発現割合が高いが、成熟が進むに連れてデンプン分解方向の遺伝子発現割合が高まる傾向が認められた。 (2)有意差が認められたIL系統と親品種との戻し交雑を行ってF2種子を得た。 本年度はIL系統の十分な育成が出来なかったことと機器の導入が遅れたため、それらの代謝物を含めた解析が出来ていないが、来年度IL系統のF2世代も含めて実施する予定である。
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Research Products
(3 results)