2006 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム情報と染色体部分置換系統を利用したイネのシンク・ソース機能の解明
Project/Area Number |
17208003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大杉 立 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (40343107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 徹 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (50143409)
佐々木 治人 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (60225886)
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Keywords | ゲノム / イネ / ソース機能 / ルビスコ / QTL |
Research Abstract |
(1)本年度は、昨年度得た染色体部分置換系統(CSSL)と親品種(コシヒカリ)との戻し交雑系統(F2)を用い、それらの成熟葉のソース機能および葉鞘のシンク・ソース変換機能に関するQTL解析を中心に行った。当初予定していた代謝物等の解析は材料の準備が遅れたため次年度集中的に行う予定である。 1)これまでの3年間の解析の結果、第10染色体のCSSL(SL-231)において、単位葉面積当たりのルビスコ量と第3葉鞘のデンプン量の両者について親品種(コシヒカリ)と有意な差が認められたことから、本系統をコシヒカリと戻し交配してF2集団を得た。 これらのF2集団について、ルビスコ量及びデンプン量を測定してQTL解析を行った結果、ルビスコ量のAB-QTL(q-Rbh10)とデンプン量のAB-QTL(q-Nscls10)のを得た。q-Rbh10のLOD値と寄与率(R2%)はそれぞれ6.0、33.0であり、q-Nscls10では2.8、6.1であった。両者はピークの位置は若干異なるが、同じマーカーの間(約4cM)に存在していた。 これらのことから、ルビスコ量と葉鞘のデンプン量の両者を同時に決定するQTLの存在が示唆されるとともに、異なっている場合でも極めて近傍に両者が存在すると考えられた。次年度は、F2の自殖後代(F4)を用いて更なる絞り込みを行うとともにNILを獲得してメタボローム等の解析を行う。
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