2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17208006
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
国見 裕久 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (50195476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲井 まどか 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (60302907)
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Keywords | チャハマキ / 雄殺し / RNAウイルス / 性比異常 / RAPD / cDNA / RACE法 / コッホの3原則 |
Research Abstract |
茶樹の重要害虫であるチャハマキの野外個体群には、性比がメスに偏る(SR)系統が存在する。性比異常形質はSR系統のメスを通じて次世代に伝達され、SR系統のオス幼虫の選択的致死(late male-killing)に起因する。チャハマキのmale-killingには、他の昆虫種で胚期のオスの選択的致死(early male-killing)の因子として同定されているWolbachiaなどの細菌類ではなく、RNAウイルスの可能性が高いことが明らかにされている。しかし、因子精製法が確立されておらず、その本体を特定するまでには至っていない。そこで、RAPD(random amplified polymorphic DNA)を用いて因子の探索を試みた。 SR系統のメス成虫腹部磨砕物を出発材料にして、ショ糖密度勾配遠心により得たバンド画分を、正常系統のメス幼虫に注射接種すると次世代にSR形質が誘導された。このバンド画分から抽出したRNAをランダムプライマーにより逆転写して得たcDNAを鋳型として、RAPDを行った。増幅されたcDNA断片のそれぞれについて、塩基配列の決定とSR系統に対する特異性について検討した。その結果、SR系統に存在し、正常系統には存在しない2種類のcDNA、A1とC3を得た。 A1とC3について、RACE法により全長塩基配列を決定した。A1は1081bp、C3は1240bpからなり、BLAST検索の結果、両者共に既知遺伝子と相同性を示さない新規のcDNAであることが明らかとなった。また、A1とC3は、SR系統のチャハマキ、ショ糖密度勾配遠心により得たバンド画分およびバンド画分の注射接種によりSR形質が誘導されたチャハマキに存在した。以上の結果から、A1とC3はSR系統に特異的に認められること、また、コッホの3原則を満たすことから、因子由来のcDNAであると考えられた。
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