2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋形成抑制因子、ミオスタチンの産肉調節作用の全容解明とその産肉性向上への活用
Project/Area Number |
17208024
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 高弘 東北大学, 大学院農学研究科, 教授 (20111297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麻生 久 東北大学, 大学院農学研究科, 助教授 (50241625)
渡邊 康一 東北大学, 大学院農学研究科, 助手 (80261494)
長谷川 喜久 北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (40092001)
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Keywords | ミオスタチン / ウシ骨格筋 / ミオスタチンレセプター / 骨格筋成長因子 / 骨格筋の転写因子 / 筋芽細胞 / ウシ筋肉内脂肪前駆細胞 |
Research Abstract |
ミオスタチン(Myostatin)は骨格筋形成を負に制御する。1998年、岩手県でミオスタチン遺伝子変異によるDM形質を有する日本短角種DM牛が発見された。日本短角種DM牛は通常牛の約1.5倍の赤肉産肉量を誇り、極めて優れた産肉能力を持つ。このように、牛の赤肉量をミオスタチンが制御することは明らかであるが、DM牛のミオスタチン欠損による筋肥大メカニズムは未だ明らかにされていない。本研究では、ミオスタチンの産肉調節作用の全容を解明することにより、DM形質の誘発機構を明らかにし、肉用牛の産肉性の向上に資することを目的とする。研究は、日本短角種DM牛と通常牛で、ミオスタチンの筋肉胆大に対する作用、ミオスタチンの発現・作用機序、ミオスタチン機能抑制因子、ミオスタチンリセプターの発現機序、ミオスタチンのGH軸と脂肪蓄積に対する作用を解明する。 18年度は17年度の研究成果をもとに、研究計画に従い実施され、下記の成果が得られた。 1)日本短角種DM牛由来の筋細胞で、ミオスタチン依存的にHGFとIGFIIが変化することを明らかにした。ミオスタチンはIGFIIの発現を抑制した。HGFはミオスタチンの発現を抑制すること、DM牛ではHGFによるミオスタチンの産生が欠如するため筋肥大が生ずることが判明した。 2)通常牛とDM牛のマイクロアレイにより、17種類のミオスタチン関連筋形成遺伝子が明らかにされ、ミオスタチン欠損により、それらの6種類に遺伝子が上昇し、11種類の遺伝子が減少した。 3)上記遺伝子の中から、DM牛で4.5倍発現が低下するミオスタチンのシグナル伝達系に関与するTBFβinducible early gene 2(TIEG2)に着目し、ミオスタチン処理でその発現が増加することから、ミオスタチン特異的に作用する可能性が示された。このことから、次年度はsiRNA法等でTIEG2機能を欠損させ、ミオスタチン特異的なシグナル伝達系を明らかにする。 4)ウシとブタの下垂体前葉で、ミオスタチンがTSH細胞に、ミオスタチンレセポターアクチビン受容体IIがACTH細胞に発現することか昨年初めて明らかにされた。本年は、マウス下垂体前葉でミオスタチンとそのレセプターがACTH細胞に発現すること、ミオスタチンがACTH細胞でのホルモン合成を抑制することが明らかにされ、ミオスタチンの内分泌制御作用が解明された。 5)1〜6ヶ月齢のDM牛と通常牛で、GH、グレリン、IGF-1等の血中GH関連因子の変動を解析したところ、DM牛での大きな変化は認められなかった。 以上のように、本年度ははぼ計画通りの成果が得られた。
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Research Products
(1 results)