2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋形成抑制因子、ミオスタチンの産肉調節作用の全容解明とその産肉性向上への活用
Project/Area Number |
17208024
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 高弘 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 教授 (20111297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
麻生 久 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (50241625)
渡邊 康一 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教 (80261494)
長谷川 喜久 北里大学, 獣医学部, 教授 (40092001)
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Keywords | ミオスタチン / ウシ骨格筋 / ミオスタチンレセプター / 骨格筋成長因子 / 骨格筋の転写因子 / 筋芽細胞 / ウシ筋肉内脂肪前駆細胞 |
Research Abstract |
本研究は、骨格筋形成を負に制御するミオスタチン(Myostatin: MSTN)が生まれつき欠損することにより、優れた産肉形質を有する日本短角種牛(Double muscled Cattle: DM牛)の産肉向上機構の全容を解明するために計画された。本年度は、17、18年度の結果に基づき筋肥大機構に対するMSTN作用、脂肪蓄積に対するMSTN作用を解析し、MSTNの測定法の開発を行った。 1)通常牛とDM牛のマイクロアレイにより、MSTN関連筋形成遺伝子が解析され、DM牛で4.5倍発現が低下するMSTNのシグナル伝達系に関与するTBF β inducible early gene2(TIEG2)が明らかにされた。そこで、筋細胞においてsiRNA法等でTIEG2機能を欠損させ、またトランスフェクション法によりTIEG2の発現を増強させて、MSTN特異的なシグナル伝達系を明らかにする。2)DM牛から成熟型ミMSTN欠損の筋芽細胞を樹立し、MSTNによって細胞の増殖と分化がどのような影響をうけるかについて解析し、昨年度明らかにされた17種類のMSTN関連筋形成遺伝子の牛筋形成過程での発現変動を明らかにし、さらなるMSTN特異的な筋関連遺伝子の検索を行う。3)筋芽細胞におけるMSTN発現抑制因子を検索し、筋分化と筋肥大の関連を解明する。4)MSTNはアクチビン受容体IIに親和性が高いことが知られていることから、筋細胞でアクチビンがMSTNと同様に働くかどうか解析しMSTNのアクチビン受容体IIに対する特異性を明らかにする。(2)脂肪細胞に対するMSTN作用の解析は、時間的に無理であった。そこで、DM牛骨格筋由来の脂肪前駆細胞とBIP細胞を用いて、MSTNの脂肪細胞分化抑制に対する作用を明らかにする。(3)今年度は、MSTNの測定法がないことからその開発を目指す。MSTNの測定が可能となれば、農学ならびに医学的研究への幅広い活用が期待される。
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Research Products
(14 results)