2005 Fiscal Year Annual Research Report
難分解性有機汚染物質の超高感度モニタリング用の受容体遺伝子系導入花卉植物の開発
Project/Area Number |
17208029
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
乾 秀之 神戸大学, 遺伝子実験センター, 助手 (90314509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川 秀郎 福山大学, 生命工学部, 教授 (90233048)
菊田 安至 福山大学, 生命工学部, 助教授 (50224895)
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Keywords | エストロジェン受容体 / アリルハイドロカーボン受容体 / 環境ホルモン / ダイオキシン類 / モニタリング / トランスジェニック植物 / 残留性有機汚染物質 / 花卉植物 |
Research Abstract |
1.難分解性有機汚染物質(POPs)モニタリング用の受容体遺伝子系導入花卉植物の超高感度化 A.超高感度POPs受容体の創出 モニタリング感度の向上を目指して、マウス(m)及びモルモット(g)のアリルハイドロカーボン受容体(AhR)のダイオキシン結合領域を含む組換え型転写因子(XDV)遺伝子を構築し、β-グルクロニダーゼ(GUS)レポーター遺伝子とともにシロイヌナズナに導入し、形質転換体を数十系統作出した。 mAhR組換え型転写因子を導入した形質転換タバコをダイオキシン類の一種であるポリ塩化ビフェニル(PCB)のうち最も毒性の高いPCB126、あるいは毒性のないPCB180を添加した寒天培地上で培養し、GUS活性を測定した。PCB126の濃度依存的に活性が増加し、約2.6ppbを検出することができた。一方、PCB180は活性を増加させなかった。また、gAhR組換え型転写因子を導入した形質転換シロイヌナズナも同様の結果を示した。これらモニタリング用植物は、ダイオキシン類の毒性に依存したモニタリングが可能である。一方、POPsとして指定されているドリン系殺虫剤ディルドリンも同様の方法で検出することができた。 B.POPsの植物への取り込み・代謝・蓄積 ズッキーニは根から有機酸を滲出させ、土壌と強く吸着したPOPsを脱離させることにより効率よくPOPsを吸収することが知られている。そこで、有機酸であるクエン酸とシュウ酸を添加したPCB126を含むバーミキュライトで栽培した形質転換シロイヌナズナにおいてGUS活性が増加したことから、有機酸がモニタリングの高感度化に重要であることが判明した。 C.POPsの汚染シグナル伝達方法の検討 ウイルスタンパク質の植物細胞間移行に関わる因子(ムーブメントタンパク質)をクローニングし、新規組換え型転写因子を創出した。 2.POPsのモニタリング用花卉植物の開発 A.ペチュニア、トレニア及びバーベナの形質転換体の作出 mAhR組換え型転写因子と花色合成遺伝子(フラバノン3-水酸化酵素、フラボノイド3',5'-水酸化酵素)のRNAiを導入した形質転換ペチュニア、トレニア及びバーベナを数百系統作出した。
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Research Products
(6 results)