2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17209004
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 信孝 京都大学, 薬学研究科, 教授 (60109014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 真也 京都大学, 薬学研究科, 助手 (80381739)
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Keywords | 7回膜貫通型受容体 / ケミカルプロテオミクス / CXCR4 / T140 / GPCR |
Research Abstract |
平成17年度までの研究において、生体膜構成成分を反応場としたGPCRの膜貫通ペプチドフラグメント間のケミカルライゲーション反応が速やかに進行し、CXCR4受容体の化学合成を行う上での鍵反応となることを明らかにした。平成18年度は、その反応様式の理解のために、膜貫通部分ペプチドが存在する環境について精査した。7つの膜貫通ドメインと想定されるペプチドを化学合成し、単一のペプチド導入した多層脂質膜について全反射を利用した赤外吸収スペクトルを測定したところ、ペプチド鎖は脂質膜に対し平行に配置しており、期待された膜貫通状態にはないことが確認された。複数の膜貫通部分ペプチドの混合物を含む脂質膜では、膜貫通状態に近いペプチド鎖の割合が増えていることが確認されたが、ライゲーション反応の効率的な進行の合理性を説明するには至らなかった。 一方、多様な生体膜構成成分、界面活性剤中でのライゲーション反応について検討を行い、liso PCをはじめとする必ずしも脂質二重膜を形成しない脂質成分であっても、ライゲーション反応の効率的な進行に寄与することを明らかにした。POPCをはじめとする脂質は、極めて脂溶性が高い膜貫通部分ペプチドの可溶化に寄与することで、反応性の向上に寄与していることが示唆され、今後さらに詳細に反応剤および条件の精査を行う。 また、CXCR4受容体の活性化のメカニズムを知る目的で、分子プローブとなるCXCR4受容体拮抗剤の蛍光標識体の分子設計と合成を行った。これまでの研究により見出した選択的括拮剤FC131およびT140誘導体上の活性発現に必要でない官能基をリンカーを含むアミノ基に置換した後、水溶液中での化学反応によりアミノ基上に選択的に蛍光標識した種々誘導体を合成し、CXCR4拮抗活性を評価した。その結果、親化合物とほぼ同等の生物活性を示す蛍光標識T140誘導体を見出した。
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Research Products
(25 results)