2006 Fiscal Year Annual Research Report
代謝酵素・トランスポーターの機能協関を考慮した薬物動態の定量的予測システムの開発
Project/Area Number |
17209005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉山 雄一 東京大学, 大学院薬学系研究科, 教授 (80090471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠原 洋之 東京大学, 大学院薬学系研究科, 助教授 (00302612)
大貫 玲子 東京大学, 大学院薬学系研究科, 助手 (70361607)
前田 和哉 東京大学, 大学院薬学系研究科, 助手 (00345258)
設楽 悦久 千葉大学, 大学院薬学研究院, 講師 (00306656)
滝川 一 帝京大学, 医学部, 教授 (70197226)
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Keywords | 代謝酵素 / トランスポーター / 利尿薬 / HIV治療薬 / 腎排泄 / Mrp4 / SULT |
Research Abstract |
排泄トランスポーターbreast cancer resistance protein (BCRP)は、硫酸抱合体を良好な基質とすること、ならびに小腸の管腔側に発現していることから、小腸におけるBCRPの機能評価をin situ反転腸管法を用いて行った。その結果、小腸における4-methylumbelliferone(4-MU)の硫酸抱合体(4-MUS)や、minoxidil sulfatの管腔側への排出クリアランスは、小腸下部の方が大きいことが示された。一方で、これらの硫酸抱合に関与する酵素であるSULTの抱合活性についても、小腸下部のほうが大きいことが示され、さらに発現分布を調べたところ、BCRPもSULTsも小腸下部の方が上部より発現量が大きいことが示された。このことから、BCRPがSULTにより硫酸抱合されたものを効率よく排出するといった協調的な作用を発揮するために、発現分布を同じくしていることが示唆され、代謝酵素とトランスポーターの協調的な異物解毒機構の1つが明らかとなった。また、腎臓におけるMrp4の機能を調べるため、Mrp4ノックアウトマウスを用いた検討を試みた結果、HIV治療薬であるadefovirや、セファロスポリン系抗生物質であるceftizoximeがMrp4の基質となることがin vitro実験系より確認されるとともに、Mrp4ノックアウト動物において、定常状態における血中濃度が野生型と比較して大きいことや、腎臓内濃度が高いことが示されたことから、これらの腎排出にMrp4が関与することが示された。一方、腎臓の取り込み側については、ヒト腎スライスと遺伝子発現系を用いた解析の結果、adefovirについては、主にOAT1が機能することが明らかとなったが、ceftizoximeについては、OAT1,OAT3といった既存の有機アニオントランスポーターの機能だけでは説明できない取込みが観察された。
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Research Products
(7 results)