2005 Fiscal Year Annual Research Report
α-アドレナリン受容体発現と圧反射性筋血流調節:動物とヒトの相方向性研究
Project/Area Number |
17209007
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
能勢 博 信州大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40128715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上條 義一郎 信州大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40372510)
樋口 京一 信州大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20173156)
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Keywords | 運動 / 筋血流 / αアドレナリン受容体 / 圧反射 / リズム |
Research Abstract |
本研究の目的は、血管平滑筋におけるα-アドレナリン受容器発現が、運動時の圧反射性筋血流調節に及ぼす効果を、ヒトおよび実験動物を用いて明かにすることである。 1.ヒト用いた実験: (1)測定方法の確立 ・筋血管コンダクタンスの測定 若年被験者を対象に、phenylephrine(α-adrenergic agonist)を、体血圧が上昇しない程度の量を、上腕動脈から投与し、α-アドレナリン性筋血管収縮能の定量化に成功した。 ・血圧反射ゲインの測定 自発性血圧反射ゲインの測定:我々のマウスで開発した方法をヒトに応用し、自発性血圧動揺に対する心拍数と筋交感神経活動の反応から求めることに成功した。 薬剤誘導性血圧反射ゲインの測定:末梢血管よりphenylephrine、sodium-nitroprussideを投与し、動脈血圧を変化させた際の、筋交感神経、心拍数の応答から求めることに成功した。 (2)起立性頻脈症候群(POTS)患者への応用 POTS患者では「α-アドレナリン性血管収縮が阻害されているために、立位での運動能力が低下しているのではないか」という仮説を検証した。その結果、同患者ではα-アドレナリン血管収縮は正常だが、立位運動時に血圧反射ゲインが低下して血圧動揺を引き起こし、これが運動能力を低下させることを明らかにした。 2.マウスを用いた研究: (1)α-アドレナリン受容体欠損マウスの導入決定 同受容体欠損マウスでは、圧反射ゲインが安静時には代償性に高いが、運動時には低下し、血圧が動揺するのではないか、という仮説を検討する。京都大学の辻本豪三教授から同受容体欠損マウス供給の同意を得た。 (2)Vasopressin V1受容体欠損マウスの導入決定 運動時の圧反射ゲインの低下には同受容体が関与するのではないか、という仮説を検証する。辻本教授からの同受容体欠損マウス供給の同意を得た。
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Research Products
(8 results)