2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17209018
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
木梨 達雄 Kansai Medical University, 医学部, 教授 (30202039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片桐 晃子 関西医科大学, 医学部, 准教授 (00322157)
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Keywords | インテグリン / Rap1 / ケモカイン / リンパ球 / RAPL |
Research Abstract |
インテグリンを介する接着制御がどのようになされ、免疫細胞の活発な動きを生み出され制御されるのか基本的なメカニズムを明らかにする。本計画では(1)Rapl/RAPLによる細胞極性調節とインテグリンの空間的制御の分子基盤を明らかにする。(2)Rapl/RAPLによる免疫細胞の接着、動態調節を改変することによって個体レベルで免疫応答やリンパ球分化、成熟への影響を調ベ、炎症・アレルギー、自己免疫疾患の病態解明と治療への応用を試みる。 平成19年度は、Rapl/RAPLによる血管内皮接着制御、RAPL欠損マウスにおける自己免疫とリンホーマの発症解析、Mst1ノックアウトマウスの解析を行った。灌流下でのα4β7/MAdCAM-1とのを介するローリングから停止に至る接着カスケードを再現して、ケモカインによるRap1の活性化が停止接着を誘導すること、RAPL欠損リンパ球では、停止するが、すぐに流され安定した接着を形成できない。さらに、CXCL12,CCL21によってL-selectin/PNAdによるローリングからLFA/ICAN-1による停止接着を再現した。同様にRap1活性化が停止接着に必須であった。また、RAPL欠損リンパ球は停止するが、安定した接着を形成できなかかった。 RAPL欠損マウスは10月齢から、lupus腎炎を発症し、IgG,C3の糸球体への沈着、自己抗体(dsDNA抗体)が上昇する。また、軽度であるが、膵臓や唾液腺へのリンパ球浸潤、皮膚炎を伴う脱毛が起こった。ほぼ同時期から、B細胞性リンホーマが20 30%の頻度で発症した。若齢マウスリンパ球の増殖応答を調べたところ、T細胞、B細胞ともに抗体による抗原受容体架橋によってDNA合成が亢進していることが判明した。現在、その原因を探索している。 Mst1ノックアウトマウスを作成した。Mst1ノックアウトマウスはほぼ正常に生まれ、大きな異常なく発育する。しかし、末梢リンパ節や脾臓、パイエル斑が低形成であった。一方、骨髄はほぼ正常であり、胸腺はやや細胞数の増加が認められた。これらの異常の原因としてリンパ球の接着不全が考えられ、その詳細を解析している。
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Research Products
(4 results)