2005 Fiscal Year Annual Research Report
免疫系・血液系細胞の発生における細胞動態とその制御機構の解明
Project/Area Number |
17209019
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長澤 丘司 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (80281690)
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Keywords | ケモカイン / 骨髄 / ニッチ / 造血幹細胞 / Bリンパ球 |
Research Abstract |
我々は、以前、ケモカインCXCL12(SDF-1/PBSF)がBリンパ球の生成、発生過程における血球のホーミングに必須であることを明らかにした。また、最近、骨髄内でCXCL12を必要とする最も早期のBリンパ球前駆細胞や形質細胞に加え、多能性前駆細胞がCXCL12発現細胞と特異的に接着していることを見出し、それらの骨髄内のニッチを同定し、Bリンパ球が異なる種類のニッチ間を発生段階特異的に移動することを明らかにした。本研究では、免疫系・血液系細胞の前駆細胞の発生を支持する細胞動態とその制御機構の全貌を明らかにすることを目的に、CXCL12およびCXCL12発現細胞の機能、作用機構を解析する。本年度の成果は以下の通りである。 1.免疫系血液系細胞の発生過程における細胞動態の解析 リンパ球前駆細胞、赤血球系前駆細胞、骨髄球系前駆細胞の、各ニッチへの局在を組織学的に解析するために、これらの細胞の可視化、CXCL12発現細胞の培養による試験管内でのニッチ機能の発現系の樹立を試みている。 2.リンパ球や赤血球系細胞の発生や局在におけるCXCL12、CXCR4の役割の解析 成体でCXCR4遺伝子を欠損するマウス、赤血球系細胞にのみCXCR4を強制発現させたマウスを作製することが出来た。 3.CXCL12発現細胞の造血幹細胞、免疫系血液系細胞の発生における機能とその分子基盤の解析 ジフテリア毒素受容体システムによる細胞欠損誘導法を用いて、CXCL12発現細胞を特異的に欠損したマウスを作製するためのターゲッティングベクターの作製を完了した。 4.CXCR4の機能発現を制御する遺伝子の検索 CXCL12の生理的標的細胞から、CXCR4の細胞内領域と結合する分子をツーハイブリッド法によりスクリーニングし、いくつかの候補遺伝子を同定した。それぞれにつき結合を確認している。
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Research Products
(4 results)