2007 Fiscal Year Annual Research Report
免疫系・血液系細胞の発生における細胞動態とその制御機構の解明
Project/Area Number |
17209019
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長澤 丘司 Kyoto University, 再生医科学研究所, 教授 (80281690)
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Keywords | ケモカイン / 骨髄 / ニッチ / 造血幹細胞 / Bリンパ球 |
Research Abstract |
昨年度までに造血幹細胞の維持におけるCXCR4の役割を明らかにすることができた。そこで、Bリンパ球以外のより分化した免疫系・血液系細胞の局在と発生や局在におけるCXCL12とその受容体CXCR4の役割を解明するために、成体でCXCR4遺伝子を欠損するマウスと、放射線照射により内在性の血液細胞が枯渇したマウスにCXCR4欠損胎児肝細胞を移植した血液系細胞でのみCXCR4が欠損するマウスの造血を詳細に解析した。近年、新しい免疫担当細胞として、I型インターフェロンを多量に産生し抗ウイルス感染において重要であると考えられている形質細胞様樹状細胞が同定されている。私たちは、上記のCXCR4欠損マウスいずれにおいても骨髄や脾臓ではCXCR4を欠損する形質細胞様樹状細胞分画の細胞数や核酸刺激によるI型インターフェロン産生細胞数が著明に減少していることを見出し、CXCR4が形質細胞様樹状細胞の発生に必須であることを明らかにした。また、試験管内培養系で、CXCL12が多能性前駆細胞からの形質細胞様樹状細胞の産生を促進することを示した。更に、成体骨髄における形質細胞様樹状細胞とCXCL12高発現細網細胞(CAR細胞)を同時に可視化し、その局在を解析したところ、形質細胞様樹状細胞の大部分は、CAR細胞の突起に結合しており、CAR細胞は形質細胞様樹状細胞のニッチとして機能していることが示唆された。これより、重要な免疫担当細胞の発生に必須のサイトカインとニッチ細胞の候補が明らかとなった。 この成果を基盤に、将来、造血幹細胞、形質細胞様樹状細胞、Bリンパ球前駆細胞が同時に可視化されれば、血球の分化に伴う血球の動態が明らかになることが期待される。
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Research Products
(5 results)