2007 Fiscal Year Annual Research Report
小児におけるハイリスク肥満の有病率と生活習慣介入に関する前向きコホート研究
Project/Area Number |
17209024
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
田嶼 尚子 Jikei University School of Medicine, 医学部, 教授 (70112836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 理明 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20343535)
小風 暁 昭和大学, 医学部, 教授 (70271583)
白澤 貴子 昭和大学, 医学部, 助教 (80365759)
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Keywords | 小児 / 肥満 / 疫学調査 / レプチン / アディポネクチン / 予測因子 |
Research Abstract |
成人では生活習慣病である肥満や糖尿病に関する研究が多数みられるが,その素地となりうる学童肥満の疫学調査や病態研究は稀である。本研究では、埼玉県伊奈町の小学4年生ならびに中学1年生全員のうち同意が得られた児童を対象に採血を含めた疫学調査を実施し、肥満ならびに関連マーカーを測定し検討した。 本年度は、肥満並びに、血清のマーカーの3年間の推移に関して検討した。 対象は9-10歳と3年後の12-13歳時にレプチンとアディポネクチンを含む採血と身体計測を行った、男児304人と女児282人である。ベースライン(9-10歳時)と3年後(12-13歳時)の肥満の推移別に4グループに分類し、肥満の予測因子を検討した。9-10歳における参加率は98%であった。 586名中、3年後に追跡されたのは519名であった(追跡率:88.6%)。3年間の前後の検査値において、比較的強い相関関係がみられるのは、アディポネクチン、TC、HbAlc、HDLと、女性におけるレプチンであった。 9-10歳時の非肥満児において、3年間非肥満のままで推移する小児から3年後に肥満になってしまう小児を予知する指標(中央値(25-75%))は、9-10歳時のレプチン高値(3.8(2.5-5.6)vs.10.1(7.2-14.8)ng/dl,p<0.001)、並びにインスリン高値(8(5-13)vs.16(9-24)pU/ml,p=0.005)とTC高値(167(153-182)vs.189(171-200)mg/dl,P=0.010)であった 本研究は、小児の集団において、アディポネクチン、HbAlc、TC,HDLは、3年間でおおよそ同じ値を推移する傾向があること、しかし、レプチンやインスリンは変化しやすく、この値が9-10歳時の非肥満児においてこれらが高いことが、3年後の肥満の予知因子になることが示された。
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Research Products
(6 results)