2005 Fiscal Year Annual Research Report
腸管上皮におけるWnt/Notchシグナル間新規クロストーク機構の解明
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17209027
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
渡辺 守 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10175127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 輝一郎 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40376786)
垣生 園子 東海大学, 医学部, 教授 (30051618)
清野 宏 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10271032)
半田 宏 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (80107432)
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Keywords | Wntシグナル / Notchシグナル / 細胞内シグナル伝達 / ユビキチン-プロテアソーム / 腸管分化 / 転写因子 / Hath-1 |
Research Abstract |
本研究は腸管上皮細胞におけるWnt/Notchシグナルのクロストークを解析することによって腸管上皮の分化調節機構、幹細胞維持機構など腸管再生の根幹となる理論基盤を構築することを目的とすることである。本研究では当初の研究計画に示した項目につき、下記に示すごとく大きな研究成果が得られた。腸管上皮細胞分化に重要な役割を担うbHLH転写因子であるHath1遺伝子は転写後調節としてWntシグナルにより蛋白安定性を介してHath1機能である転写活性を直接制御されることが明らかになった。興味深いことにWntシグナル内のGSK3を介したリン酸化によるユビキチン-プロテアソーム系の積極的な蛋白分解機構によって制御されておりこれはbeta-cateninの制御機構と同一であることからWntシグナルが「細胞増殖」と「分化」を対等に蛋白安定性にて制御する機構であることが解明された。さらにHath1遺伝子そのものの転写はNotchシグナルで制御されていることが示唆されており、Hath1は転写レベルでNotchシグナル、蛋白レベルでWntシグナルの制御をうけることからNotchシグナルとWntシグナルのクロストークが示唆された。実際にヒト大腸癌においてもHath1遺伝子の発現にもかかわらず蛋白の発現を認めないことからWntシグナルの破綻が未分化の維持だけでなく分化誘導の積極的な阻害も発癌に関与することが示唆された。またNotchレセプターの細胞内ドメインを強制発現することでNotchシグナル刺激を表現できる系の構築に成功し、大腸上皮由来細胞株においてNotchシグナル刺激により細胞表現系が変化することを見いだした。Notch, Wntシグナル調節が細胞分化だけでなく、細胞種の決定にまで深く関与する事が示唆され、現在さらにクロストークによる腸管細胞の分化機構、細胞種決定機構を詳細に解析中である。
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Research Products
(6 results)