2005 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレスをターゲットにしたメタボリックシンドロームの新規治療法の開発
Project/Area Number |
17209034
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 敏郎 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (10114125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 克敏 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (00292863)
一色 政志 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (70302734)
安東 克之 東京大学, 保健センター, 講師 (60184313)
下澤 達雄 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90231365)
長瀬 美樹 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (60302733)
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Keywords | メタボリックシンドローム / アルドステロン / 腎障害 / 酸化ストレス / 脂肪細胞 |
Research Abstract |
新規治療法として、血管作動性物質で抗酸化作用を持つアドレノメデュリンの足細胞に対する効果を検討した。種々の足細胞障害刺激によりアドレノメデュリンのmRNA発現、培養液中への分泌は増大した。アドレノメデュリンの受容体は実際に足細胞に発現しており、PAN刺激による酸化ストレス、アポトーシスを抑制して足細胞保護的に作用することが示された。 メタボリックシンドロームにおけるアルドステロンの重要性をモデル動物を用いて検討した。SHR/NDmcr-cp(肥満SHR)ラットにおける蛋白尿と糸球体足細胞障害を検討した。肥満SHRラットでは蛋白尿が多く、nephrinの発現低下、desminの発現増加、電顕による足突起のeffacementなど、足細胞障害の所見が認められた。食塩負荷によりこの障害は著明に悪化し、アルドステロン拮抗薬により改善した。また、アルドステロンは血管内皮においてNOSのカルシウム感受性を修飾することも明らかとなり、メタボリックシンドロームの臓器障害におけるアルドステロンの重要性がしめされた。 そこで、アルドステロンを考慮に入れた新規治療ターゲットを探索する目的で、脂肪細胞由来の生理活性物質の検索を行っている。脂肪細胞培養上清にはアルドステロン分泌刺激活性が認められ、その活性は50-100kDaのフラクションに認められた。肥満SHR由来脂肪細胞の培養上清にもアルドステロン分泌刺激活性が認められたが、非肥満SHR由来脂肪細胞の培養上清には認められなかった。以上より脂肪細胞より分泌されるアルドステロン分泌刺激因子が肥満SHRの高アルドステロン血症および臓器障害にも関与している可能性が考えられる。現在その因子の同定を進めている。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Impaired flow-dependent control of vascular tone and remodeling in P2X4-deficient mice.2006
Author(s)
Yamamoto K, Sokabe T, Matsumoto T, Yoshimura K, Shibata M, Ohura N, Fukuda T, Sato T, Sekine K, Kato S, Isshiki M, Fujita T, Kobayashi M, Kawamura K, Masuda H, Kamiya A, Ando J.
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Journal Title
Nature Med 12
Pages: 133-7
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[Journal Article] Expression and regulation of adrenomedullin in renal glomerular podocytes.2005
Author(s)
Hino M, Nagase M, Kaname S, Shibata S, Nagase T, Oba S, Funaki M, Kobayashi N, Kawachi H, Mundel P, Fujita T
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Journal Title
Biochem Biophys Res Commun 330
Pages: 178-185
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
Peer Reviewed
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