2007 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレスをターゲットにしたメタボリックシンドロームの新規治療法の開発
Project/Area Number |
17209034
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 敏郎 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 教授 (10114125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 克敏 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00292863)
一色 政志 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70302734)
安東 克之 東京大学, 医学部附属病院, 客員助教授 (60184313)
下澤 達雄 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90231365)
長瀬 美樹 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60302733)
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Keywords | 酸化ストレス / メタボリックシンドローム / 遺伝子変異 / アルドステロン / 脂肪細胞 |
Research Abstract |
メタボリックシンドロームの発症機序から治療法を探る目的で内臓脂肪蓄積の原因遺伝子の探索を行った。肥満を呈するSHRと呈さないSHRからF2を作成し,睾丸周囲脂肪組織重量とマイクロサテライトマーカーとの間で連鎖解析を行い,脂肪組織のRNA発現解析も行った。脂肪組織RNAに関するマイクロアレイ解析の結果,両SHR間で発現量に大きな差違のある遺伝子が複数同定され,この遺伝子群の中にはKAT-1遺伝子のように中枢神経系に影響し高血圧発症に関与する可能性が考えられる遺伝子(Counfil for High Blood Pressure Research,2007)のほかに,肥満肥満に応答するいわば感受性遺伝子や血圧の食塩感受性に関連する可能性のある遺伝子Slc22a18があることを明らかになった。 さらに,SHRのKAT-1には特異的な機能的変異(E61G)が存在することがあきらかになった。一方,SHRの延髄では,KAT-1活性とその代謝産物であるキヌレン酸含量の減少がみられ,延髄吻側腹外側野(RVLM)へのキヌレン酸の選択的投与により血圧や脈拍が減少する一方,KAT-1のアンチセンス導入で食塩感受性高血圧を生じることからインスリン抵抗性と食塩感受性の遺伝的共通性を報告した(Council for High Blood Pressure Research 2007)。 昨年の検討で,アルドステロンが臓器障害発症に重要であることが明らかになっていたが,脂肪細胞培養上清にはアルドステロン分泌刺激活性が認められ,その活性は50-100kDaのフラクションに認められた。今年度もこの同定を試みたが,単一物質の同定には至らなかった。肥満SHR由来脂肪細胞の培養上清にもアルドステロン分泌刺激活性が認められたが,非肥満SHR由来脂肪細胞の培養上清には認められなかった。以上より脂肪細胞より分泌されるアルドステロン分泌刺激因子が肥満SHRの高アルドステロン血症および臓器障害にも関与している可能性が考えられる。また,アドレノメデュリン欠損マウス由来脂肪細胞ではアルドステロン分泌刺激活性が高かったが,アドレノメデュリンの補充により野性型と同程度に減少した。
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Research Products
(6 results)