2006 Fiscal Year Annual Research Report
水疱性類天疱瘡モデルマウス作成による病態メカニズムの解明と新規治療法の開発
Project/Area Number |
17209038
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
清水 宏 北海道大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00146672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤村 大輔 弘前大学, 医学部, 教授 (60196334)
清水 忠道 富山大学, 医学部, 教授 (70260396)
秋山 真志 北海道大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (60222551)
芝木 晃彦 北海道大学, 北海道大学病院, 講師 (40291231)
MCMILLAN James 北海道大学, 創成科学共同研究機構, 特任教授 (30374721)
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Keywords | 免疫学 / 動物 / 細胞・組織 / 内科 / 病理学 |
Research Abstract |
本研究ではCOLXVIIノックアウトマウス(KOマウス)を用いて水庖性類天庖瘡(BP)の病態を忠実に反映するモデルマウスの作成を行った。平成17年度の研究にて、COLXVII KOマウスにワイルドタイプの皮膚を植皮することで抗体産生を誘発が認められた。また、植皮片を生検し、病理組織学的に検討したところ表皮下水庖の形成が認められ、病原性を有する抗体であることが確認された。 本年度の研究ではワイルドタイプの皮膚を用いて免疫したCOLXVII KOマウスから脾細胞を調整し、免疫不全マウスであるRAG2 KOマウス移植したところ、低力価の抗体産生が一過性にみられたが、持続性の抗体産生は認められず、明らかなフェノタイプも出現しなかった。そこで、標的抗原をマウスCOLXVIIからヒトCOLXVII分子へと変更した。具体的にはヒトCOLXVII分子を表皮基底膜に発現するトランスジェニックマウス(TGマウス)の皮膚をワイルドタイプへ植皮することで、抗ヒトCOLXVII抗体の産生を誘導した。その結果、植皮3週間後から高力価の抗ヒトCOLXVII抗体の産生が間接蛍光抗体法、ELISA法にて確認された。 さらに事前に放射線(4〜8.5Gy)を照射した表皮基底膜にヒトCOLXVII分子のみを発現する(マウスCOLXVII分子を欠損する)COLXVIIヒト化マウス(Nishie W, et al. Nat Med. 2007)に、抗体産生が確認されたマウスから調整した脾細胞を移植した。移植後10目より高力価の抗ヒトCOLXVII抗体の産生が蛍光抗体間接法ならびにELISA法にて確認された。この抗体産生は少なくとも移植後4週までは持続して認められた。高力価の抗ヒトCOLXVII抗体の産生が認められたヒト化マウスを臨床的,組織学的に解析したところ、プレリミナリーな結果として抗体沈着をともなった表皮下水庖の形成が認められている。 今後は、皮膚移植にて免疫したワイルドタイプマウスから各リンパ球を調整して移植した際のフェノタイプの検討、抗ヒトCOLXVII抗体のエピトープマッピングとともに、既存ならびに新規治療法の検討を施行予定である。
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Research Products
(6 results)