2006 Fiscal Year Annual Research Report
PETを用いるがんの分子イメージングに関する総合研究
Project/Area Number |
17209041
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
藤林 康久 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 教授 (50165411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清野 泰 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 助教授 (50305603)
森 哲也 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 助手 (40397287)
岡沢 秀彦 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 教授 (50360813)
徳永 雄次 福井大学, 大学院工学研究科, 助教授 (80250801)
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Keywords | Cu-64 / F-18標識酢酸誘導体 / F-19標識Estradiol / 婦人科 / Cu-ATSM |
Research Abstract |
市販FDG合成装置のディスポーザブルキットならびにソフトウエアを変更することにより、F-18-Estradiol注射液(FES)を無菌的かつ安定に製造するシステムを構築した。製造されたFESの正常女性におけるPET体内動態の検討を経て、婦人科腫瘍PET診断検討を行い、子宮腫瘍における悪性肉腫、良性筋腫の鑑別診断、ホルモン治療適用の可否診断に有用であることを明らかにした。 これとは別に、がんの増殖度診断に有用と考えられるF-18標識核酸誘導体の分子設計、合成、基礎評価を行い、チミジン分解酵素系に対して安定で、かつチミジンリン酸化酵素に親和性を有するN3-(2-[18F]fluoroethyl)-thymidineを見出した。本標識化合物は、がん細胞の増殖能に一致する集積を示し、がんの質的診断を可能にする薬剤として期待が持たれる。 また、これまでに低酸素がん診断薬剤として開発されたCu-ATSMの固形がん組織内分布について解糖系イメージング剤であるFDGと比較検討を行ったところ、これらがまったく異なる集積パターンを示すことが明らかとなった。Cu-ATSM高集積部位は、血管構造に乏しく増殖停止状態にありながら壊死に陥らず生存を続けているがん細胞からなること、これらのがん細胞を良好な培養環境にもどした場合、FDG高集積部位から得られた細胞よりも増殖能に優れることが明らかとなった。したがって、Cu-ATSMは、単にがん低酸素部位を検出するための薬剤ではなく、放射線や抗がん剤治療に対する抵抗性を示すがん細胞群の存在を示すものであると考えられ、治療方針決定に重要な役割を果たし得ることが示唆された。
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Research Products
(5 results)