2005 Fiscal Year Annual Research Report
ABO血液型不適合移植における新しい治療戦略の開発
Project/Area Number |
17209044
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
北島 政樹 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90112672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島津 元秀 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (70124948)
田辺 稔 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50197513)
河地 茂行 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80234079)
成松 久 産業技術総合研究所, 糖鎖工学研究センター, 副センター長 (40129581)
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Keywords | ABO血液型不適合 / 臓器移植 / 糖鎖抗原 / 糖分解酵素 |
Research Abstract |
肝移植の際、最も重要なバリアーとなるABO式血液型物質を、移植前に除去することにより、血液型不適合肝移植の定着率向上を目指している。今年度は糖分解酵素によるA抗原,B抗原の発現抑制効果につき検討した.研究の開始に当たり、ABO血液型既知のヒト赤血球にそれぞれの糖鎖抗原特異的な糖分解酵素を作用させ,抗原性が消失・減弱するかを検討した.すなわちA型赤血球にはα-N-acetylgalactosaminidaseを添加し,またB型赤血球にはα-galactosidaseを添加し,抗血液型血清を用いた凝集反応により,糖分解酵素を添加した赤血球においては,同量の生理食塩水を添加したコントロール赤血球に比べ,A抗原,B抗原のいずれにおいても抗原性の有意な減弱が確認された. 次に,in vitroで実験可能な培養細胞系を作成することを試みた。CHO細胞、COS-1細胞にヒト由来A遺伝子、B遺伝子をそれぞれトランスフェクションし、A型、B型抗原の発現を抗A血清、抗B血清を用いて、flowcytometryにて調べた。いずれも陽性の発現が見られたので、酵素処理を行うためのモデル細胞系が作成された。細胞からヒドラジン分解法、β-エリミネイション法により、N-グリカン、O-グリカンを精製し、タンデムMS法により、それぞれの糖鎖構造を決定した。野生型のトランスフェクタント細胞は、それぞれA型、B型の構造を持つことが確認された。 市販品の糖分解酵素により、このモデル細胞からA型、B型抗原を消失させる条件検討を行った。簡便には、flowcytometryにてスクリーニングし、A型、B型抗原の減少を確認し、構造解析には、タンデムMS法を用いた。現在のところ、最適の糖分解酵素を探索している段階である。
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Research Products
(7 results)