2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17209046
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 裕輔 東京大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (90193010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯山 隆 東京大学, 大学院医学系研究科, 講師 (20302789)
小野 稔 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40270871)
望月 修一 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (00345042)
鎮西 恒雄 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (20197643)
斎藤 逸郎 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (80334225)
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Keywords | 完全人工心臓 / 拍動流 / 無拍動流 / 波動ポンプ / 体内埋め込み |
Research Abstract |
本研究は、小型高性能な体内埋込式完全人工心臓開発のための基礎研究として、波動ポンプを用いて研究開発中の拍動流の体内埋込式完全人工心臓(波動型完全人工心臓)を基にして無拍動流の波動型完全人工心臓を開発し、波動型完全人工心臓を装着した動物(成獣ヤギ)を長期生存させ、拍動流と無拍動流を比較解析することにより、無拍動流の体内埋込式完全人工心臓に特有の病態生理を解明するとともに、両者に生理的制御法(1/R制御)を適用し、無拍動流における生理的制御の可能性や限界を明らかにすることを目的とする。今年度は、人工弁を内蔵しない波動型完全人工心臓4次モデルを用いて、拍動流駆動および両心無拍動流駆動による1/R制御の慢性動物実験を行った。その結果、3頭が1ヶ月以上生存した。最長生存期間は72日であった。最長生存ヤギは、術後2週間は拍動流駆動で1/R制御を行い、その後約3週間の間両心とも無拍動流駆動に切り替えて1/R制御を行った。拍動流から無拍動流に切り換えても、ヤギの一般状態に変化はなかった。血行動態的にも著変は見られなかった。また、肝機能や腎機能にも変化はなかった。しかし、無拍動流駆動では心房の吸着が発生しやすく心房圧の設定値を徐々に高くせざるを得なかった。両心無拍動流駆動3週間目に心房の吸着に起因すると思われる溶血が発生したので、拍動流に戻したところ溶血は収まった。1/R制御下では、拍動流から無拍動流に切り換えても、短期的には特別な変化は見られないが、無拍動流駆動では、静脈側では常時血液が吸引されるため、あるタイミングで静脈が萎んだら心房の吸着が回復不能になる可能性があり、静脈の膨らみを常時確保して人工心臓への十分な流入量を維持するためには無拍動流の完全人工心臓は不適当で、ある程度の拍動性が必要であると考えられた。
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Research Products
(1 results)