2005 Fiscal Year Annual Research Report
成体幹細胞を用いた雌性生殖器官の臓器再生と疾患モデルの構築
Project/Area Number |
17209053
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
吉村 泰典 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (10129736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 哲夫 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10209702)
内田 浩 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90286534)
松崎 有未 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (50338183)
梶谷 宇 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60407111)
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Keywords | 子宮内膜 / 子宮筋 / 幹細胞 / 免疫不全マウス / 再生 |
Research Abstract |
本研究では、雌性生殖器官の成体幹細胞システムの基礎的解明を進めていくと同時に、臓器再生と疾患モデル構築の技術開発という応用面にも重点を置いて、以下の3点を明らかにする。本年度は以下の成果が得られた。 1.雌性生殖器官全般(子宮内膜、子宮筋など)における組織幹細胞の分離・同定および幹細胞特性の解明 幹細胞活性を有する内膜side population細胞(ESP)は、in vitroでの単独培養が著しく困難であったが、本年度において、単独培養が可能な至適条件を発見し、詳細な機能解析へ進むことが可能となった。 また、子宮筋における組織幹細胞の同定に成功した。ESP単離と同様の戦略に基づいて、ヒト正常子宮筋層から分散細胞を得て子宮筋SP(myometrial SP : MSP)を分離した。MSPの殆どはG0期にあり、かつ未熟な細胞集団あることが判明した。MSPは適切な分化誘導条件の下、骨細胞へ分化した。 2.雌性生殖器官幹細胞を用いた臓器構築とその再生医療への応用 重度免疫不全マウスへの移植実験でESPは内膜組織を構築するが低率であった。そこで、分散した内膜細胞全体を移植したところ、100%組織構築が起こり、かつホルモン依存性変化を誘導し得た。ESPを出発材料とする組織構築実験の基盤データが得られた。 一方、MSPの子宮への移植実験では、平滑筋マーカー陽性の子宮筋組織が移植部位で構築された。以上MSPは、未分化状態、多分化能、および自己組織構築能を有していた。 3.雌性生殖器官幹細胞を用いた疾患モデルの構築 上記の分散内膜細胞をレンチウイルスによりレポーター遺伝子で標識し移植したところ、構築組織のホルモン依存性の用量時間的変化を、非侵襲的かつ経時的に体外から定量化し得た。このように、新しい子宮内膜症モデルマウスとそのリアルタイム解析システムを開発した。
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Research Products
(15 results)