2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17209054
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 壽一 京都大学, 医学研究科, 教授 (90176339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 純 京都医療センター臨床研究センター, 政策医療企画研究部, 研究員 (30252448)
中川 隆之 京都大学, 医学研究科, 助手 (50335270)
藤野 清大 京都大学, 医学研究科, 助手 (50359832)
平海 晴一 京都大学, 医学研究科, 助手 (10374167)
小島 憲 京都大学, 医学研究科, COE研究員 (60378685)
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Keywords | 細胞移植 / 高度難聴 / 有毛細胞 / ラセン神経節細胞 / 幹細胞 / 神経栄養因子 |
Research Abstract |
本研究の目的はこれまでに我々が開発した細胞移植療法、内耳薬物投与システム(ドラッグデリバリーシステム)などを利用した内耳再生医療技術を用いて、具体的な疾患モデル治療への応用と内耳再生医療の臨床応用の基盤となる治療技術開発を行うことである。 老人性難聴モデルとして、老化マウスを用い、骨髄由来幹細胞に脳由来神経栄養因子を導入し、これを内耳に移植し、聴覚保護について解析した。その結果、移植された細胞は内耳で生着し、その一部はラセン神経節細胞に分化した。また機能的にも電気刺激聴性脳幹反応の閾値上昇を抑えることができ、聴覚機能の回復にも役立つことが分かった。胚性幹細胞を移植しても同様の結果を得た。また、蝸牛神経圧迫モデル動物へ中枢方面から胚性幹細胞、内耳幹細胞を移植すると、移植された幹細胞は内耳抹消のみならず、中枢の脳幹蝸牛神経細胞方向へも神経突起を伸張することが観察された。さらに老化マウスの時と同様に、機能的にも電気刺激聴性脳幹反応の閾値上昇を抑えることができ、聴覚機能の回復にも役立つことが分かった。さらに、内耳ドラッグデリバリーシステムによる神経栄養因子などの投与による内耳保護効果を検討した。その結果、脳由来神経栄養因子などは障害を与えた内耳のラセン神経節細胞の保護にも役立つことが分かった。現在、これらの細胞移植技術、内耳ドラッグデリバリーシステムなどにより、遺伝性難聴モデル動物、内リンパ水腫モデル動物への評価を検討中である。
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Research Products
(7 results)