2006 Fiscal Year Annual Research Report
歯周炎と心血管系および骨代謝系疾患との関連性についての分子機構の解明
Project/Area Number |
17209057
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中山 浩次 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (80150473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 通 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (00211029)
吉村 篤利 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70253680)
坂井 詠子 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (10176612)
内藤 真理子 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (20244072)
天野 敦雄 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (50193024)
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Keywords | 感染症 / 細菌 / 歯学 / 循環器・高血圧 / 免疫学 |
Research Abstract |
ApoEマウスを用いた実験については今年度、実験に必要な頭数を確保するように飼育を行い、やっと順調に頭数を増やすことができ、現在、予備実験に着手したところである。 一方、慢性歯周炎の発症と増悪に関わるもっとも重要な歯周病原菌の1つであるPorphyromonas gingivalisは血小板凝集能とともに赤血球を凝集する性質をもつことが知られており、本菌と心血管疾患との関係において重要な性質と考えられている。しかし、その機構については詳細な解明はなされていなかった。この赤血球凝集性は30年以上前にOkuda & Takazoeによって発見されて以来多くの研究がなされてきたが、赤血球凝集活性を抑制する抗体を用いた研究からrgpA,kgp,hagA遺伝子にコードされるアドヘジンドメインのなかのHgp44領域が赤血球凝集に関わることがわかっているものの赤血球凝集素を組換えタンパクとして作製することには未だ成功していなかった。私たちはHgp44領域より前駆型、成熟型、および各種のN末端欠失型の組換えタンパクを作製し、ヒト赤血球の凝集性について調べたところ、成熟型Hgp44のみ赤血球凝集性を認めた。Lehnerらは本菌によるヒト赤血球凝集を阻害するペプチド領域を発見し、赤血球凝集エピトープとしたが、この領域は成熟型Hgp44領域の直下に存在していた。そこで‘赤血球凝集エピトープ'のペプチドを作製し、成熟型Hgp44による赤血球凝集性に対する影響を調べたところ、濃度依存性に抑制することがわかった.これらの結果からこのエピトープ領域はプロタンパクの菌体表面への輸送の過程で結合活性を抑制する‘タンパク内安全装置'であることが示唆された。さらに成熟型Hgp44組換えタンパクを用いて赤血球表面の標的タンパクがGlycophorinであることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)