2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨細胞の細胞性ネットワーク形成機序の解明と機械的刺激応答性
Project/Area Number |
17209064
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 照子 東北大学, 大学院歯学研究科, 教授 (00127250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上岡 寛 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (80253219)
出口 徹 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 講師 (30346457)
菅原 康代 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (70379775)
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Keywords | 骨細胞 / ネットワーク / メカニカルストレス / 3次元培養 / 細胞骨骼 |
Research Abstract |
本年度、我々は3次元培養した骨芽細胞株MC3T3-E1(以下骨芽細胞)と単離した初代培養骨細胞のアクチン細胞骨格および微小管細胞骨格の分布の違いを3次元再構築高精細ソフトIMARISを用いて解析し、さらに、それらの蛋白が骨細胞ネットワークの維持あるいは形成のどちらかに関与しているのかを細胞骨格脱重合剤を用いて検討した。その結果、アクチンおよびアクチン結合蛋白である、fimbrin、α-actinin、myosin、tropomyosinは、骨芽細胞および骨細胞の両者において、すべての突起に観察された。しかし、fimbrinの発現は、骨細胞に強く表れる一方、myosinは、骨芽細胞の突起に強く表れた。一般に、fimbrinは形態の安定に関与していることから骨細胞の突起は、3次元培養中でも安定した構造であることが考えられ、myosinはアクチン線維の活発な動きに関与していることから、骨芽細胞の突起は伸展・収縮していることが考えられた。よって、骨芽細胞および骨細胞両者の突起の裏打ち構造が異なることが示唆された。さらに、微小管蛋白の分布をみたところ、骨芽細胞の突起には全長に亘り、微小管が走行しているのに対して、骨細胞では、細胞体側のわずかな領域のみに存在しているだけであった。次に、突起形態の維持にアクチンあるいは微小管のどちらが関与しているのかを検討するために、3次元培養を開始し、突起が十分に形成されたのちに、アクチン脱重合剤を用いてその影響をみた。結果、骨芽細胞の突起は、なんら変化をみせなかったのに対して、骨細胞の突起は、著しい収縮を生じた。一方、微小管脱重合剤により、骨芽細胞の突起は、収縮を生じ、骨細胞の突起はなんら影響がなかった。これらの結果、突起の形態を維持するためには、骨芽細胞では、微小管が、そして骨細胞ではアクチンが重要であることが示唆された。さらに、突起形態の形成時に関与する蛋白を検討するために、3次元培養を開始すると同時にアクチン脱重合剤を用いてその影響をみた。結果、骨芽細胞の突起は、突起の数が減少したものの、長く伸びるようになった。しかし、骨細胞は、突起を全く形成しなかった。一方、微小管脱重合剤により、骨芽細胞の突起は、全く形成しなかったが、骨細胞は突起を形成し、その形態は未処置群と比べて変化をみせなかった。これらの結果から、3次元培養された骨芽細胞はアクチン細胞骨格が重要であることを報告した。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] αVβ3 integrin ligands enhance volume-sensitive calcium influx in mechanically stretched osteocytes2006
Author(s)
Miyauchi A, Gotoh M, Kamioka H, Notoya K, Sekiya H, Takagi Y, Yoshimoto Y, Ishikawa H, Chihara K, Takano-Yamamoto T, Fujita T, Mikuni-Takagaki Y
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Journal Title
Journal of Bone and Mineral Metabolism 24(6)
Pages: 498-504