2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨細胞の細胞性ネットワーク形成機序の解明と機械的刺激応答性
Project/Area Number |
17209064
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 照子 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 教授 (00127250)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上岡 寛 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80253219)
出口 徹 東北大学, 病院, 講師 (30346457)
菅原 康代 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70379775)
|
Keywords | 骨細胞 / 歯の移動 / 機械的刺激 / 矯正力 / 3次元的立体構築 |
Research Abstract |
本年度、我々は、細胞外pH(pHo)および細胞外カルシウム([Ca^<2+>]e)が骨細胞の細胞間コミュニケーションになんらかの影響を与えると仮定し、ニワトリ胚より取り出した生骨組織中の骨細胞に対してFluorescence Replacement After Photobleaching解析(FRAP)を行った。同様にPTHの影響についても検討した。結果、1.FRAPを行う領域の骨細胞はどの突起にもGJが観察され、分布に偏りは見られなかった。2.生骨組織内で骨細胞のFRAPが可能であった。消光5分後の蛍光輝度の回復は43.7±2.2%であった対照群に対して、GJ阻害剤18a-GA前処置群では、10.7±2.2%と有為に減少した。3.pHoを7.4から6.9へ変化させた時、蛍光輝度の回復は有為に減少した。一方、pHoを7.4から8.0へと変化させた時、有為に増加した。4.[Ca^<2+>]eの濃度を1mMから25mMへと変化させた時、蛍光輝度の回復は有為に減少した。5.PTHの濃度を1nMから10nMへと変化させた時、蛍光輝度の回復は、時間依存的であった。生骨組織中での骨細胞の細胞間コミュニケーションは、細胞外pHおよび細胞外カルシウムなどの骨リモデリング時の変動因子、およびPTHなどのホルモンに影響を受けることが示唆された。また、骨芽細胞から骨細胞へ分化する際の機械的特性のうち弾性の変化を捉え、さらに細胞接着と弾性との関連についても調べた。ニワトリ胚頭蓋骨を染色し、3次元形態観察法を行うことで骨芽細胞(OB)、類骨骨細胞(POC)、骨細胞(OC)を識別する方法を確立した。この識別方法を単離培養系に適用し、頭蓋骨から単離した骨系細胞の弾性を、原子間力顕微鏡により解析した。その結果、骨系細胞において、弾性率は細胞中心部が辺縁部より低かった。細胞の辺縁部の弾性率はOB、POC、OCの順で分化にしたがって低下した。また、細胞接着の弾性に対する関係を調べるために細胞接着阻害ペプチドを投与した所、OB、POCは弾性率を低下させたが、OCは変化を認めなかった。
|
Research Products
(27 results)