2005 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織細胞を用いた歯周組織再生療法の確立と臨床応用
Project/Area Number |
17209065
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
石川 烈 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10014151)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 光夫 東京女子医科大学, 先端生命医科学研究所, 教授 (00130237)
吉江 弘正 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20143787)
村上 伸也 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (70239490)
栗原 英見 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40161765)
和泉 雄一 鹿児島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60159803)
|
Keywords | 歯周組織再生 / 細胞移植 / ヒト歯根膜由来細胞 / ヒト骨髄間葉系幹細胞 / 歯肉線維芽細胞 / ヘルトビッヒ上皮鞘細胞 / 細胞シート / 組織工学 |
Research Abstract |
本プロジェクトでは、歯周疾患により失われた歯周組織再生に自己細胞移植を軸とした組織工学の概念を導入し、世界に先駆けての新しい治療法の開発をめざし研究を継続中である。その細胞ソースとしては、骨髄間葉系幹細胞、歯根膜細胞、セメント芽細胞、歯肉線維芽細胞が候補にあがっている。本年度は以下の研究成果を得ることができた。 1.ヒト歯根膜由来細胞を温度応答性培養皿上で培養し、細胞間接着分子、細胞外マトリックスを保持したintactな細胞を回収し、歯根膜細胞シートの作製に成功した。この歯根膜シートを免疫不全マウスおよびビーグル犬に応用し、歯周組織の再生を認めた。 2.自己再生歯根膜組織はVEGF,ALP,VGFの遺伝子発現を示し、またALPおよびOCN蛋白の高い発現を示した。 3.歯根膜細胞におけるPLAP-1の発現はFGF-2の刺激によって抑制され、BMP-2,BMP-4刺激により亢進することを確認した。 4.培養ヘルトビッヒ上皮鞘細胞は数種のエナメル基質蛋白を発現し、また、歯根膜由来細胞と共存培養するとその重層化を促進した。 5.多血小板血漿(PRP)は骨芽細胞の骨関連マーカー発現を促進した。PRPゲルと細胞の組織工学的併用によりSCIDマウス背皮下で異所性骨形成を誘導した。また、ヒアルロン酸は分子量の違いにより骨吸収を巧妙に制御していることを認めた。 6.歯髄細胞および骨髄細胞をb-FGFにて刺激し培養した後、アテロコラーゲンゲルに懸濁させ、これをヌードマウス皮下に注入移植すると骨髄形成を伴った骨形成を認めた。 7.ヒト骨髄間葉系幹細胞の培養に自己血清が有用であることを確認した。 8.自家歯肉線維芽細胞のシート化に成功し、歯肉退縮の症例に臨床研究を開始した。
|
Research Products
(7 results)