2007 Fiscal Year Annual Research Report
現代アフリカにおける青少年の安全保障と伝統の崩壊抑止に関する人類学的研究
Project/Area Number |
17251013
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐々木 重洋 Nagoya University, 文学研究科, 准教授 (00293275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 正平 甲子園大学, 人文学部, 教授 (50110086)
井関 和代 大阪芸術大学, 芸術学部, 教授 (60073285)
慶田 勝彦 熊本大学, 文学部, 教授 (10195620)
武内 進一 日本貿易振興機構, アジア経済研究所・アフリカ研究, グループ長 (60450459)
野元 美佐 鹿児島国際大学, 国際文化学部, 講師 (40402383)
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Keywords | 文化人類学 / 現代アフリカ / 青少年 / 伝統文化の継承 / 生活の安全保障 |
Research Abstract |
平成19年度は、研究代表者、研究分担者ともに海外調査はおこなわず、国内で資料の分析、検討をすすめるとともに、名古屋大学において研究打ち合わせを2回実施して、それぞれの事例をふまえた知見を共有しながら、本研究課題に共通する論点め抽出をおこなった。また、アフリカ各地の多様な事例を貫くような、青少年の成育環境と伝統の継承状況の相関関係についての比較類型論的な整理の可能性について検討した。さらに、これらの成果を踏まえた今後の課題についても意見交換をおこなった。 本研究により、まずアフリカ諸社会におけるそれぞれの地域社会で構築されてきた「成育力」がもつ機能や潜往力を明らかにすることができた。これらは、いわゆる近代式の学校教育とは異なるものである。これらのもつ機能や潜在力を、グローバル化や資本主義経済の急激な浸透に直面しているアフリカの青少年の安全保障や自己アイデンティティの形成にいかに役立てることができるか、引き続き地域社会ごとの事例に即して検討することが今後の課題である。またアフリカの場合、教育や道徳に関する一般用語を統一的に適用することの困難さも明らかになったが、これも今後の課題といえる。 以上のように、本研究は3年間の調査研究活動を通じて、従来はややもすると政治学や経済学、教育学などの分野で巨視的に議論されがちであった研究課題を、より地域性や民族性に即しながら再検討し、それらから欠落していた知見や視点を補うことができた。これらの成果の一部は学術雑誌や口頭発表を通じて公表されたほか、報告書にまとめられている。
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Research Products
(20 results)