2008 Fiscal Year Annual Research Report
「人間の安全保障」の実体的基礎としての地域経済の自立
Project/Area Number |
17252006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丸山 真人 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40209705)
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Keywords | 経済事情 / 地域経済 / 人間の安全保障 / 循環経済 / 慣習経済 |
Research Abstract |
2008年7月29日から8月2日の間、連携研究者遠藤貢・永田淳嗣は南インド・タミルナドゥ州チェンナイに滞在し、都市化・工業化が進むチェンナイ北部の農村地域における農業用水管理システムの脆弱化に関する調査を行い、パンチャヤットなどの村落・地区レベルの自治組織の機能・役割を検討した。さらに8月2日から8月9日の間は、遠藤・永田および連携研究者松葉口玲子・研究協力者町田陽子の4名で南インド・ケララ州のテイルヴァナンタプラムに滞在し、ケララ州南部の農村地域における村落開発に関する多面的な調査を行い、パンチャヤットなどの村落・地区レベルの自治組織やローカルNGOの活動の実態や役割に関して、タシレナドゥ州の状況とも比較しつつ検討を行った。遠藤は、主として自立的な活動を展開している農民グループに対する聞き取り調査を担当し、それらのグループの形成の経緯や、現在の活動、直面する課題等に関して広く情報を収集した。松葉口は、主としてパンチャヤットについてジェンダーの視点から分析を行うとともに、Sakhi Women's Resource Centreなどでジェンダーと開発・環境との関わりについて取材を行なった。この他に永田は、2009年1月5日から1月11日の間、インドネシア・スマトラ島中部のリアウ州に滞在し、過去30年間のアプラヤシ栽培の拡大に伴うプランテーション経済の急速な拡大と、プランテーション労働者や小農民の経済的・社会的生存基盤、地域の生態基盤に対する影響等に関して調査し、昨年度のフィリピン・ミンダナオ島でのプランテーション経済に関する調査との比較検討を試みた。なお、2006年度に実施したナイジェリア農村地域の調査については、遊牧民と交渉のある農耕民の村落調査が欠落していたため、本年度追加調査を実施した。現地調査には、東大大学院総合文化研究科博士課程のフ・ホイ・イーが研究協力者として出張した。連携研究者の中西徹は国内での資料収集に、また研究代表者の丸山は全体の統括に従事した。
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Research Products
(6 results)