2005 Fiscal Year Annual Research Report
ハッブル宇宙望遠鏡コスモスプロジェクトによる宇宙大規模構造の研究
Project/Area Number |
17253001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷口 義明 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40192637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海部 宣男 国立天文台, 台長 (50011630)
唐牛 宏 国立天文台, 教授 (30221196)
有本 信雄 国立天文台, 教授 (60242096)
岡村 定矩 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20114423)
太田 耕治 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50221825)
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Keywords | 銀河形成 / 銀河進化 / 観測的宇宙論 / 宇宙大規模構造 / ダークマター |
Research Abstract |
本計画では、宇宙進化の全容解明のため、ハッブル宇宙望遠鏡、すばる望遠鏡などを駆使して、COSMOS2平方度天域の観測を行ってきている。平成17年度は以下の4項目について研究を推進してきた。 1.平成17年5月までに取得したデータの解析:効率的なデータ解析を推進するために、モザイクCCDカメラデータの専用パイプラインであるCLSUTERシステムを導入した。並列計算による超効率的な解析環境が実現した。尚、このシステムが稼動しているのは、カリフォルニア工科大学天文学専攻、ハワイ大学天文学研究所、及び本天文学専攻の3箇所だけである。平成17年度秋までに、CLUSTERによるデータ解析を無事終えることができた。 2.COSMOSチームメンバーへのデータリリース:データ解析が完了したので、COSMOSのチームメンバーにデータをリリースした。欧米の共同研究者らとサイエンス解析を開始し、約100万個に及ぶ銀河の測光カタログを作成し、これについてもCOSMOSのチームメンバーにリリースした。 3.初期観測成果の公表:成果公表は膨大になるため、まず平成17年5月に京都大学でCOSMOSのチーム会議を5日間にわたって開催し、議論を進めた(欧米からの参加者は55名にのぼった)。この会議で、サイエンス・ステアリング・委員会を作り、谷口もそのメンバーになった。そのほか、研究テーマに応じて、8つのワーキンググループも作り、研究計画の円滑な遂行体制を整えた(谷口は高赤方偏移天体ワーキンググループの代表となった)。研究成果はアメリカ天文学会の学会誌であるThe Astrophysical JournalでCOSMOS特集号を組んでくれる手はずを整え、現在約50編の論文をメンバーで準備中である。そのうち5編は谷口のグループが担当している。平成18年4月に一斉投稿となる。 4.平成18年1月から3月期におけるSuprime-Camによる新たな観測:COSMOSの新たな観測戦略であるCOSMOS-21(21枚のフィルターを用いる可視光サーベイ)が、すばる望遠鏡のインテンシブ・プログラムとして採用された(代表:谷口)。平成18年1月と2月に10晩の割り当てがあり、9枚のフィルターによる貴重な観測データを取得した。
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Research Products
(7 results)