2008 Fiscal Year Annual Research Report
千島弧の火山活動・地震活動・地殻変動に関する日露米3ヶ国共同研究
Project/Area Number |
17253002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中川 光弘 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 教授 (50217684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠原 稔 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (40001846)
橋本 武志 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (70283588)
高橋 浩晃 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (30301930)
西村 裕一 北海道大学, 大学院・理学研究院, 助教 (20208226)
吉本 充宏 北海道大学, 大学院・理学研究院, 助教 (20334287)
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Keywords | 千島弧 / 火山活動 / 地震活動 / 火山ガス / マグマ / 津波 / 火山噴火 |
Research Abstract |
今年度は複数のグループによる以下の調査を、千島列島のほぼ全域で実施した。 1.米国ワシントントン大学の考古学チームおよびロシアと共同で中千島の調査航海を実施し、11の火山島での火山調査および試料採取(7-8月):中川・石塚以下4名(日本側) 2.北千島パラムシル島のエベコ火山の、地質学および地球化学的調査をロシア側研究者と実施(9月):中川・風早以下4名 中千島の調査では、それぞれの火山の噴火履歴や噴火様式が解明でき、遠方の火山から飛来したと考えられる広域テフラ層も複数見出し、千島列島全体の火山活動度の評価が可能になると考えられる。また火山島の基盤についても調査し、千島列島の成長過程についても検討した。さらに、今回は中千島と南千島のブッソール海峡周辺の火山島での地質調査・試料採取を行うことができ、千島列島の基盤構造と火山活動の関係を議論できると期待される。上記の調査ではそれぞれの島から貴重な岩石・火山灰試料を採取したが、サハリンおよびカムチャッカからの試料持ち出しの手続きの煩雑さと遅れにより、やっと08年12月に全試料を持ち出すことができた。重要な試料に関しては放射性炭素年代およびK-Ar年代測定を実施し、また試料の岩石学的分析を進めている。これまでの試料分析およびデータ解析により、主要火山の活動史および噴火様式を明らかにできた。また一部の火山(ウシシル火山・ザバリスキー火山・モヨロ火山)では大規模な噴火を起こし、その火山灰が千島列島を広く覆っていることが明らかになった。これらの火山灰層は周辺海域も含め、重要な鍵層になることが期待できる。サンプルの到着が遅れたためデータ収集は十分ではない。そのため、試料分析・解析を進めるために21年度前半も引き続き研究を継続することとした。
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Research Products
(18 results)