2005 Fiscal Year Annual Research Report
千島列島付近潮汐混合の直接観測と北太平洋海洋循環・変動に与える影響の解明
Project/Area Number |
17253004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安田 一郎 東京大学, 海洋研究所, 教授 (80270792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日比谷 紀之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80192714)
大島 慶一郎 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (30185251)
川崎 泰寛 独立行政法人水産総合研究センター, 北海道区水産研究所, 室長 (20416027)
渡辺 豊 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 助教授 (90333640)
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Keywords | 海洋 / 潮汐 / 西岸境界流 / 気候変動 / 乱流 / 海洋物理 / 海流 / オホーツク海 |
Research Abstract |
本研究は、千島列島付近の強い潮汐混合が海流場や生物生産に及ぼす影響を明らかにするために、その根本原因である千島列島・オホーツク海において混合の実測を行うこと、その結果に基つき、数値計算や観測によって海流場への影響を明らかにすることを目標としている。本年度は、来年度夏季に予定されているロシア船クロモフ号によるオホーツク海とその周辺海域での乱流計による鉛直混合観測に向けて、現在最も信頼され、カナダロックランド社で製造されており、2000m深までのリアルタイム観測が可能である、海洋鉛直微細構造プロファイラVMP2000の本体を導入した。この機器の船上での運用・データの解析手法を学ぶためにカナダで約1週間の研修を行い、カナダ・ビクトリア大学・Rolf Lueck教授・Fabian Wolf博士他の指導を受けた。また、白鳳丸KH0601航海レグ3において、これらのシステムを用いた実海域試験を行い、2000m間で観測可能であることを確認しつつあるとともに、黒潮続流における乱流データを取得した。また、千島列島付近での強い日周潮汐潮汐流が18.6年周期で変動することに起因すると考えられ本研究での主要な目的となっている海洋・大気の約20年周期変動について、データ解析・数値モデル実験によって検討した。歴史データ解析によって、北海道南方の親潮、オホーツク海、千島列島南方親潮上流海域において、潮汐18.6年振動と整合的な中層水塊及び表層塩分の変動を発見した。また、北太平洋を特長つけるアリューシャン低気圧の変動とも整合的であり、潮汐変動・西岸境界流を通じて気候変動と関連つける仮説をたてた。これらの結果は、国際会議(IAPSO・PICES)・日本海洋学会において発表するとともに、米国地球物理学連合AGUの国際誌Journal of Geophysical Researchに一部掲載されることになった。
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Research Products
(6 results)