2005 Fiscal Year Annual Research Report
日華植物区系の西端としての南ヒマラヤ地域の植物多様性
Project/Area Number |
17255004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
邑田 仁 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90134452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東馬 哲雄 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (10376527)
秋山 弘之 兵庫県立姫路工業大学, 自然環境科学研究所, 助教授 (70211696)
田中 伸幸 高知県立牧野植物園, 研究員 (40393433)
菅原 敬 首都大学東京, 大学院・理学研究科, 助教授 (10226425)
永益 英敏 京都大学, 総合博物館, 助教授 (90218024)
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Keywords | 植物 / 進化 / 分類学 / 植物相 / ヒマラヤ / 分子系統 / 植物地理 / フィールド調査 |
Research Abstract |
本研究は、先行研究「南ヒマラヤ地域の植物多様性」(平成13〜16年度)の結果を踏まえ、南ヒマラヤ地域を日華植物区系の西端として注目し、特にミャンマー西北部から資料を収集・蓄積して未知の植物相を明らかにするとともに、バイオシステマティクス的研究手法を用いてこの地域の植物の特徴を明らかにすることを目的とするものである。今年度は以下の調査研究を行った。 1.平成17年11〜12月に邑田・東馬など5名をミャンマーに派遣し、フーカンバレー自然保護区において現地調査を行った。調査はヤンゴン経由で空路ミシーナに入り、そこから自動車で、まず国立公園内のタナインにある現地ステーションに到着、調査活動を行った後、シンブエヤンに移動・滞在し、周辺の調査を行った。植物の生態観察を行なうと同時に、さく葉標本、DNA解析用サンプル、染色体観察用の固定資料や生植物を収集し、日本に持ち帰った。 2.平成18年3月に東馬、米倉、永益の3名をミャンマーに派遣し、ナマタン国立公園で現地調査を行った。ヤンゴン経由で空路バガンに入り、バガンから自動車にナマタン国立公園に移動し現地拠点で活動した。調査方法は1と同様に行った。 3.関連地域植物との比較を行うため、17年9月に林を中国雲南省などに、18年2月に秋山をマレーシアに派遣し、それぞれシダ植物、コケ植物について調査と資料の収集を行った。 4.すでに日本国内に蓄積されている南ヒマラヤ産標本、および新たに採集した標本を、東京大学、京都大学などに保有する文献・標本資料を活用して同定した。17年7月に邑田がオーストリア、ドイツの標本室・植物園で分類学的な検討を行い、系統解析用の生資料を入手した。その結果にもとづき、3編の論文を発表した。 5.日本に持ち帰ったDNA解析用サンプルは、主に東京大学植物園において、DNA抽出後、必要領域の塩基配列決定を行った。これに基づいた系統解析を開始している。
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