2006 Fiscal Year Annual Research Report
日華植物区系の西端としての南ヒマラヤ地域の植物多様性
Project/Area Number |
17255004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
邑田 仁 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (90134452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東馬 哲雄 (大井 哲雄) 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (10376527)
秋山 弘之 兵庫県立姫路工業大学, 自然環境科学研究所, 助教授 (70211696)
田中 伸幸 高知県立牧野植物園, 研究員 (40393433)
菅原 敬 首都大学東京, 大学院理学研究科, 助教授 (10226425)
永益 英敏 京都大学, 総合博物館, 助教授 (90218024)
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Keywords | 植物 / 進化 / 分類学 / 植物相 / ヒマラヤ / 分子系統 / 日華植物区系 / フィールド調査 |
Research Abstract |
本研究は、先行研究「南ヒマラヤ地域の植物多様性」(平成13〜16年度)の結果を踏まえ、南ヒマラヤ地域を日華植物区系の西端として注目し、特にミャンマー西北部から資料を収集・蓄積して未知の植物相を明らかにするとともに、バイオシステマティクス的研究手法を用いてこの地域の植物の特徴を明らかにすることを目的とするものである。今年度は以下の調査研究を行った。 1.平成18年5〜6月に田中をミャンマーに派遣し、ポパ山国立公園とナマタン国立公園(ビクトリアピーク)において現地調査を行った。植物の生態観察を行なうと同時に、さく葉標本、DNA解析用サンプル、染色体観察用の固定資料や生植物を収集し、日本に持ち帰った。 2.平成18年12月にはミャンマーのフーコンバレーを調査する予定であったが、大雨のため調査地を同国アラカン山地に変更し、東馬、菅原と研究協力者の内貴章世、伊藤優の4名を派遣し現地調査を行った。ヤンゴンから自動車でサンドウィンに移動し周辺地域を調査した。調査方法は1と同様に行った。 3.平成19年2月に邑田と、研究協力者として河原孝行、田村実の合計3名を派遣しミャンマーのフーコンバレー自然保護区などで現地調査を行った。調査方法は1と同様に行った。 4.日華植物区系の中心である中国の植物との比較を行うため、18年17年4月に邑田と東馬を四川省我眉山に、18年7月に邑田を雲南省に、18年8月に林を四川省成都周辺地域に派遣し、特にDNA解析のための資料を収集した。 5.すでに日本国内に蓄積されている南ヒマラヤ産標本、および新たに採集した標本を、東京大学、京都大学などに保有する文献・標本資料を活用して同定した。 6.日本に持ち帰ったDNA解析用サンプルは、主に東京大学植物園において、DNA抽出後、必要領域の塩基配列決定を行った。 7.以上の結果にもとづき、4編の論文を発表した。
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