2005 Fiscal Year Annual Research Report
インド・ミゾラム州における竹類ムーリーの大面積開花に関する生態的研究
Project/Area Number |
17255007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柴田 昌三 京都大学, 地球環境学堂, 助教授 (50211959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神崎 護 京都大学, 農学研究科, 助教授 (70183291)
蒔田 明史 秋田県立大学, 生物資源学部, 助教授 (60315596)
箕口 秀夫 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (30291355)
陶山 佳久 東北大学, 農学研究科, 助教授 (60282315)
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Keywords | 開花 / 竹 / 生態 / DNA / ネズミ |
Research Abstract |
2005年度は本研究の初年度にあたる年であった。そのため、研究成果としての公表は行い得なかった。しかし、2006年度以降の成果公表に至るための十分な調査研究を行うことができた。本研究の主眼は世界でもまれな開花周期が特定できている竹であるムーリー種の開花特性の把握と、それが調査対象地住民の焼畑耕作に与える影響の把握にある。2005年度に行った調査は大きく、開花前の竹林における開花追跡調査地のための調査区設定とそこにおける植生に関する調査、ムーリー種に大きく影響を受けながら行われているインド・ミゾラム州における焼畑耕作の実態を把握するための植生変遷の調査および耕作農民からの聞き取り調査、広域にわたるムーリー種分布把握のための衛星画像の解析に分けられる。竹林の植生調査に関しては、現存量調査を行うと同時に、地下茎の状況把握を行った。また、リタートラップを設置し、バイオマスの季節変化を追跡している。これらのデータは今後、2006年度末に大面積にわたる開花が予想されるムーリー種の開花前に関するデータとして活用される。焼畑耕作に関する調査からは、ムーリーが開花しない場合の状況を知ることができた。その結果、ムーリーは焼畑によるダメージに対して三段階の変化を経て数年後には回復することが解明された。この結果は2006年の日本森林学会全国大会で発表予定である。衛星画像に関しては現在、解析が進んでいる状況である。今回購入した30km四方の地域におけるムーリー種の分布と焼畑耕作地との関係などを把握するほか、今後の開花によって激変するであろう植生被覆の開花前の広域の状況把握を目指している。2005年度の調査は1〜2年後に本格的な開花が予想されるムーリー種の開花前の状況を把握するために行われた。これらの調査結果は、開花後の状況との比較を行う上で貴重な基礎資料となる。
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