2005 Fiscal Year Annual Research Report
致死性人獣共通感染症および潜在的新興再興感染症のアフリカにおける動向調査
Project/Area Number |
17255010
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
源 宣之 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (10144007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柵木 利昭 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (70014115)
福士 秀人 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (10156763)
坪田 敏男 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (10207441)
安田 準 岩手大学, 農学部, 教授 (20142705)
杉本 千尋 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (90231373)
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Keywords | 野生動物 / アフリカ / 致死性人獣共通感染症 / 狂犬病 / トリパノソーマ原虫 / エマージング感染症 / 大腸菌 / 分子疫学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、各種野生動物が多数棲息し毎年新たな感染症が突然出現しているアフリカの野生動物における各種人獣共通病原体の保有状況を調べ、それと環境変化との因果関係を推定することにより、エマージング感染症の出現動向を予知すると共にそれらの予防に役立てることである。 本年度(初年度)は、致死性人獣共通感染症であり、アフリカで今日も大きな問題になっている狂犬病を中心にザンビア大学における研究体制の構築を図った。また、狂犬病ウイルス以外の病原体を検出するために、野生動物の糞便材料の収集も行った。さらに、次年度に向けて各種検出法の開発を行った。 1.ザンビア大学との研究協定:ザンビア大学獣医学部との共同研究体制を構築した。 2.資料の収集:野生動物9種、77例の糞便及びバッファローと犬血液それぞれ66例と100例を採集した。また、ザンビア共和国で通常の蛍光抗体法により狂犬病と診断された動物101例(犬72,猫9、牛11、サル2、ジャッカル、ヒヒ、ヤギ、Pukuそれぞれ1例ずつ、不明3例)の脳組織を収集した。脳組織からRNAを抽出後、Random primerによる逆転者反応でcDNAを作出し日本に持ち帰った。 3.狂犬病ウイルス遺伝子の解析:持ち帰った101例のcDNAの内21例からN遺伝子を増幅し、狂犬病ウイルスゲノム204-823塩基領域の配列を決定した。その結果、ザンビア共和国では少なくともアフリカ型の遺伝子を持った狂犬病ウイルスの流行していることが明らかにされた。 4.野生動物糞便材料からの病原細菌の分離:大腸菌及び腸球菌の分離同定を行っている。 5.トリパノソーマ原虫感染症の診断法の開発:トリパノソーマ原虫感染症についてLAMP法での診断法の有用性を、実験動物(豚)でのTrypanosoma evansi感染モデルを用いて検討した。その結果、LAMP法はPCR、マイクロヘマトクリット遠心法、血液塗抹鏡検法に比較して感度、特異性に優れていることが実証できた。今後アフリカでの野外試料を用いての原虫検出に本法を応用して分子疫学調査を実施する。
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Research Products
(10 results)