2005 Fiscal Year Annual Research Report
中央アフリカにおけるHIVの分子疫学-エイズウイルス生成の源流と未来を探る
Project/Area Number |
17256004
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井戸 栄治 京都大学, ウイルス研究所, 特任助教授 (70183176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
速水 正憲 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (40072946)
三浦 智行 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (40202337)
伊吹 謙太郎 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (00273524)
山口 由美 産業技術総合研究所, 生物情報解析研究センター, 研究員 (10358236)
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Keywords | エイズ / HIV-1 / SIV / 遺伝子解析 / 中央アフリカ / レトロウイルス / 分子疫学 |
Research Abstract |
我々は、20世紀最後の20年間に急激に人間社会に出現したエイズウイルスが一体どこから来たのか、また遺伝子が急速に変異するこのウイルスが将来どのような変貌を遂げるのか、その未来の姿を明らかにすることを目的として、中央部アフリカ地域をリサーチ・フィールドとして研究している。4年計画の初年度として平成17年度は、コンゴ民主、カメルーン、コンゴの3ヶ国において海外調査を行った。各国からは、主にエイズが疑われる入院中および外来の成人患者よりそれぞれ、28、300、59の計387検体を収集した。数例を除き、いずれもが高いPA抗体値を示すものであった。コンゴ民主とコンゴの検体は都市の病院からの検体で、今後可能な限り定期的な追加調査を行い、ウイルス遺伝子の変化を継時的に追跡する予定である。カメルーンの検体は、フランス語圏の同国にあって唯一英語圏である西部のナイジェリアに隣接する地域からのものであり、これまで全く報告のない未調査地区である。それからコンゴ民主においては、種々のサル種から26検体を得た。これらについて抗体のスクリーニングを行ったところ、2頭のドブラザ・モンキー(Cercopithecus neglectus)がPA陽性であることが判った。同サル種からの報告はこれまで1報しかなく、付属遺伝子の有無について論議されている状態であるから、極めて貴重である。上記エイズ患者の検体と合わせてそれらの遺伝子解析が進行中である。
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Research Products
(2 results)