2006 Fiscal Year Annual Research Report
中央アフリカにおけるHIVの分子疫学-エイズウイルス生成の源流と未来を探る
Project/Area Number |
17256004
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井戸 栄治 京都大学, ウイルス研究所, 特別教育研究助教授 (70183176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 智行 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (40202337)
伊吹 謙太郎 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (00273524)
山口 由美 産業技術総合研究所, 生物情報解析研究センター, 研究員 (10358236)
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Keywords | エイズ / HIV-1 / SIV / 遺伝子解析 / 中央アフリカ / レトロウイルス / 分子疫学 |
Research Abstract |
約四半世紀前に突如人間社会に出現したエイズウイルスは一体どこから来たのか、またこのウイルスの未来はどうなるのであろうか。これらの疑問を明らかにすることを目的として、我々はエイズウイルス発生の地と推定される中央アフリカ地域で同ウイルスの起源と未来を探る研究を行っている。4年計画の第2年度として平成18年度は、コンゴ民主共和国、コンゴ共和国の2ヶ国において調査を行った。(当初予定のカメルーン共和国への調査は現地の事情により今年度は見合わせた。)訪問した両国からは、主に都市部の病院において、エイズが疑われて入院もしくは外来した成人エイズ患者より、それぞれ47、82の計129検体を収集した。スクリーニングの結果は、数例を除き、いずれもが高いPA抗体価を示すものであった。なお特記すべきこととして、コンゴ民主共和国からの検体の内、10検体は同国東北部の町から得られたものである。この地域からの検体は、過去10年余り続いた内戦の影響のために世界中のどの国の研究グループも得ることが出来なかった大変貴重なものである。もう一つ特記すべきこととして、コンゴ共和国からの検体は、常時各患者個人と連絡体制が出来ている、いわゆるコホート研究が可能なものである。病態を観察しながらウイルス遺伝子が個体内でどのように変化してゆくかなどを経時的に追跡が可能であり、将来予測のために重要な基本データが得られるものと考えられる。その他、コンゴ民主からは、種々のサル種より22検体を得た。抗体測定を行ったところ、2頭のドブラザ・モンキー(Cercopithecus neglectus)がPA検査で陽性であることが判った。上記エイズ患者の検体と合わせて、これらの遺伝子解析が進行中である。
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Research Products
(2 results)