2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヘルパースレッドを用いたマルチスレッディングプロセッサのための高速化技術研究
Project/Area Number |
17300023
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山名 早人 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40230502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 史子 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (50409653)
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Keywords | 計算機システム / 並列処理 / キャッシュ最適化 / マルチスレッド / 高速化技術 / オンチップマルチプロセッサ / 情報検索処理の高速化 |
Research Abstract |
本年度は、本分野でのサーベイを行うと共に、アルゴリズムの検討、さらには、実アプリケーションを想定したアプリケーション側からの検討を行った。 サーベイにおいては、「スレッドレベル並列性の抽出」に関してサーベイを行った。さらに、ARCS2006国際会議(欧州地域での国際会議)へ参加し技術動向調査を実施した。スレッドレベル並列性抽出は、Load命令を対象とした提案と分岐命令を対象とした提案に分類できる。Load命令を対象としたものはキャッシュミスを隠滅することを目的としており、分岐命令を対象としたものはパイプラインの空きスロット数を削減することを目的としている。何れもハードウェアの改変を伴う手法と既存のハードウェアで実行する手法に分類できる。これらのサーベイにより、本領域での最大のブレークスルーとなる技術が、スレッド間の同期オーバヘッドの削減もしくは隠滅であることがわかった。例えば、SPECint95、SPECint2000によるシミュレーションでは、平均32%性能向上する。 アルゴリズムの検討においては、我々がこれまで実施を継続している分岐予測の面からパイプライン中の空きスロットを削減する方法を検討した。さらに、近年のオンチップマルチプロセッサでは、L2を共有するものが増加(Power5、UltraSparcIV)しており、L2の効率的な制御方法についても検討を行った。具体的には、L2内のどこに必要となるデータを配置するかというデータ配置について最適化を行う技術を提案し、SPECint95、SPECint2000で平均17%のIPC向上が見込めることを確認した。 最後に、アプリケーションレベルからの検討では、今後その高速化が重要となると予想されるアプリケーション(検索、P2P)にターゲットを絞り、これらの分野のアプリケーションの動作特徴等を調査した。
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Research Products
(5 results)