2005 Fiscal Year Annual Research Report
モバイル領域多重解像度処理マルチプロセッサに関する研究
Project/Area Number |
17300025
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
西谷 隆夫 高知工科大学, 工学部, 教授 (00389206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 誠 高知工科大学, 工学部, 教授 (60232683)
酒居 敬一 高知工科大学, 工学部, 講師 (90274117)
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Keywords | システムLSI / マルチコアDSP / メモリ量削減 / 演算量削減 / 多重解像度 / リフティングウェーブレット / 画像強調 / 圧縮符号化 |
Research Abstract |
ケイタイの高機能化システムLSIとしてはマルチコアDSPを用い、1画面を分割して処理する並列処理と多くの画面の各々を別々のDSPで実現する双方のアプローチが可能なアーキテクチャが望まれる。これにより応用分野が広がるためである。このようなプロセッサ・アーキテクチャとして、これまで研究してきたVSPアプローチとIMAPアプローチを融合した方式が実現できる見通しを得て、国際学会MPSOCと電子情報通信学会SIS研究会で概要の一部を報告した。並列プロセッサでは演算量としてオーバヘッドがどうしても発生する。しかし、このオーバーヘッドを上回る演算量削減が多重解像度処理により実現できれば並列プロセッサを導入する価値はある。このような観点から多重解像度の実現方法と、多重解像度の応用分野を今年度は追求した。演算量を抑えた多重解像度処理にはLifting Waveletが知られているが、XY分離型のWavelet変換を行うにはX方向処理が全て完了した後にY方向処理に移る。このため、X方向変換を蓄える画像と同じ容量のメモリが必要になり、また、分散させて処理することにも限界があった。このため、2次元Waveletを直接Lifting構造にして上記の問題を解決する方法を見出した。この結果は、低次Wavelet変換の場合と高次Wavelet変換の場合について、各々電子情報通信学会SIPシンポジウムと電気関係学会四国支部のIEEEセクションで発表した。現在、ハードウェア化をFPGAとDSPの双方で実行するため、データの収集を行っている。応用分野では画像信号の空間周波数を高域のコントラスト成分と低域の明度成分に分割して画像強調を行い、人にとっても、また、認識などの機械にとっても原画像よりよくなる方式を既存方式を改良した。この方法は多重解像度処理にマッピングしやすいことと、演算量が非常に多いという側面を持つ。この改良実験には購入したHDTVリアルタイムシミュレーション用のHDDシステムを用いて主観評価を交えながら実行した。本年は多重解像度処理を行うところまでは発表できなかったが、従来できていなかったカラー画像の強調が明るい画像・暗い画像とも処理できる方法を上記のSIPシンポジウムとIEEEセクションで発表した。未発表ではあるが、Wavelet変換を導入させて演算量を20%程度にまで削減する検討とその時に生ずる問題、さらに、その問題点解決法も明確になっており、これは2006年度に報告する。動画像にも適用したが、暗部のノイズを押さえる必要があることがわかってきた。これらはケイタイで映像を圧縮して伝送する場合にも有効と考えている。
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Research Products
(6 results)